第8話 S級ダンジョン踏破へ

なんだかんだ死にそうになりながらも着実に下層下層へと進んで100階層の階層主の部屋への扉の前に辿り着いた。

ここへ来るまでにどんなモンスターが出て来たのか?どんな方法で倒したのかはダンジョン庁に報告しておくので後で情報料金を払って報告書を呼んでくれ。命がけで手に入れた情報を無料で提供するほど、俺はお人好しでは無い。自分が手に入れた情報は後輩収集人たちにとっても大事な収入源なのだ。

S級に成る者にはたいした金額では有るまいしそのくらい払いなさい。


閑話休題

これだけは教えておこう100階層のモンスターはゴーレムだった。土、岩、銅、鉄などのゴーレムが1体だったり複数だったりで襲って来た。オリハルコンの剣が良い仕事をしてくれたことだけは確かである。



さて階層主の部屋の扉を開けよう。

部屋に入って直ぐに扉が閉まった。逃がさないぞと言うダンジョン主の意思表示なのだろう。薄暗い黒灰色の霧に包まれた空間だった。足元は石や岩で歩きにくい。下手に動くと捻挫してしまう恐れがある。

そこへ翼の有る何者かが飛んで襲って来た。悪魔のような面構え

【ガーゴイル】だ。こいつもゴーレムの1種なのか50~60匹のガーゴイルが一斉に俺に飛び掛かってくる。

俺は剣を横なぎに振る。剣から鎌鼬かまいたちが発せられる。この階層に来る迄に覚えたスキルだ。鎌鼬によっておよそ半数のガーゴイルが消滅した。

奴らの攻撃手段は嚙み付きと鋭利な爪での引っ搔きである。ひっかかれると爪から出る毒で破傷風とかになってしまう。俺に毒は効かないが、常人には厄介な相手だ。空を飛ぶし、ちょこまかと動き回る。試しに【毒ダンジョンで集めて置いた猛毒を霧状にしてバラ蒔いたが効かなかった。火魔法も効かないし水魔法も効かない。

 俺の持つ【魔力電力変換スキル】で魔力を電力に変えて雷をイメージしたら雷魔法を作り出せた。

試してみた。生活魔法の魔力量では1度に2~3匹しか倒せなかったので魔力量を100倍にしたら俺の周囲100mのガ-ゴイルは全滅した。体内の魔石が壊れた筈なのにドロップした魔石は正常な状態だった。これなら売れるだろう。S級ダンジョンの素材なら高級品になるはずだ。

ガーゴイルのドロップ品には【ガーゴイルの土】が有った。鑑定すると陶器生産用の優良な土と出た。あいつら陶器製だったのか?

ダンジョンのモンスターを日本人の常識で考えてはいけない。奇想天外な事が起きるのがダンジョンなのである。


等と言ってると巨大なゴーレムが現れた。青白く輝く金属製のゴーレムだ。ミスリルゴーレムだった。ミスリルは導電体である。車の中の人間に雷が落ちないように雷はゴーレムの外側を通って地面に流れるだろうから内部の魔石は壊せないだろう。試しに10000倍の魔力を込めて雷魔法を撃ってみた。ゴーレムの外側はバチバチ火花を散らしたが魔石には届かなかったようだ。


ゴーレムは滅茶苦茶速いスピードで、手足で俺を殴り押し潰そうと攻撃して来る。地面は穴だらけになり石ころが弾け飛ぶ。俺は勢いに押されて後退する。壁を背にしてしまった。横か上にしか逃げられない。どうする俺。

【絶対防御】で身を守りながら心の中で策を練る。

オリハルコンの剣ならミスリルも切裂けられると言っても今の俺の剣技では無理みたいだ。

カキ―ンガンガンと音ばかりしてゴーレムには傷1つ付いていない。

もしかしてあれならばと閃いてストレージ内で作業開始する。

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