1vista
第1話
side by SID.
「なぁシド。なんでお前はシドなの?」
カラコーの軽音部の部室は、いくらか日当たりが悪い。
ジメジメしてるのは嫌いだ。
ただでさえ男しかいなくてむさ苦しいってのに。
「はい?」
「だから、なんでお前はシドなのって」
窓を開けて振り返った俺に、ジョーは同じ質問を繰り返して来た。
「ジョー。それは、シドが何ゆえシドとしてこの世に生を受けたか、という質問であってるか?」
「よせハク。お前が喋ると話がややこしくなる。愛称の話で良いか?」
「そう。なんで橋戸巧の真ん中をとってシドなんだよ?ハッシーとか、タクちゃんとか、そっちでも良くね?」
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