12日目
寒い…寒い…寒い…とにかく、寒かった。気温がどうとかそうじゃない。確かに今はより孤独を感じやすい季節。もう冬に入りつつあるが、そうじゃない。私は、私のことが気色悪くて仕方ないから、寒いのだ。「感情」という名の温もりは、党の昔に忘れたように、私は私を愛せていない。むしろ、自己をみつめるとか、そういう時に「いいところ」を見つけられないより、「見つけたくない」に等しいくらいには、私は自分を愛せない。
そもそも、なぜ私が私を愛する必要があるのか、私には理解できなかった。先生には、「あなたにもいいところがあるでしょ?」と、毎回、面談で言われていた。
うんざりだ。
別に私は自分のいいところを見つけたいわけではないし、見つけられていない自分に嫌悪感も抱いていない。いいところがあるなら、他人が理解しとけばいい。そして、いつか忘れてしまえばいい。その「いいところがあるでしょう?」の一言は、嫌いな私へと誘う言葉に過ぎない…。
「…なんて、それを言われて嬉しくなってるくせに…」
自分にうそをつき続ける自分に、嫌気がさす。私のことを正直に見れない自分に、寒気がしている。私から私が抜けてしまうようで、私の感情は、私を見捨てて、別の私の中に、いってしまった。
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