9日目
雨、雨、雨。私は雨の中にいる。雨と一緒にいれば、私は何もかも忘れることができる。私の悩みは、雨で流される。
「あぁ~…疲れた…」
毎日作り笑いをして、皆に合わせて。私のやりたいことって何だろう。
「…お前、何しとん…?」
突然傘を差しだされ、上を見ると、同級生の男の子がいた。
「…私にとっては、大切な時間なの…」
そう私が言うと。男の子は「とりあえず、少し話そうぜ」と言って、私と一緒に歩きだした。
「…お前、いつも作り笑いだよな」
男の子が突然口にしたその言葉は、私を驚かせた。
「…わかってたのね」
「別にそれがどうとは言わんけど、無理はすんなよ」
男の子はそう言ってくれた。
私は無理していると、バレバレらしい。
「…君にはばれてるなら、君の前ではそうさせてもらうわ」
私は彼の隣を、あるがままの自分で歩いている。
雨は、私の涙を隠してくれていた。
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