読んでいて思い浮かんだのは、Wizardryでパーティが全滅してしまった時のことです。
死んでしまった彼らはその瞬間に最後にセーブした教会に戻される……なんて甘い言い訳が通じるわけではなく、死体となってその場に残り続け、運が悪かった場合はダンジョン内の魔物に食い尽くされて、存在が消滅してしまう事もままあります。
幸運にも死体が残っているならば彼らを助けに行かなければならないのですが、それがダンジョンの奥深くともなるとさあ大変。
彼らを迎えに行くためにも、ある程度の強さを誇るパーティで救助に向かわなければ二次被害が発生します。
更に更に、助けに行っただけでは終わらず、無事に帰ってくる必要もあり、その際にはパーティの人数制限なんかもあって、フルメンバーを連れて帰るには一度の救助遠征では不可能、その為何度も、人数を絞ったりその場で分割したりして、ひいひい言いながら死体を連れて帰り、そしてカント寺院に少なくないお布施を支払い蘇生してもらい……場合によっては灰になり、それでも駄目なら埋葬される。
その苦行が……彼なら一人だけで済むので、実に軽く、効率的。
いや、ホントにそういうキャラがいると安心感が違うんですよ……。
いわゆる強者によるパワープレイ物語ではありますが、決して力任せにぶつかるだけでなく、しっかりと事前準備などを抜かりなく行う描写があることには好感が持てます。
仕事に対して向き合う真摯さと、その地道な行動からにじみ出る渋さに惹かれるものがあります。
そういう職人にも似た渋さを好む方には、本作品は強くお勧めできます。