本作は、一話につき「たった一行」の文章だけで綴られる、極限まで言葉を削ぎ落とした掌編集です。
そこにあるのは、世界が色づいた初恋の瞬間から、薬指の指輪を見て悟る終わった恋、そしてかつての愛した人が自分の知らない笑顔で誰かと幸せになっている姿を見てしまう絶望。
一行の向こう側には、私たちが人生のどこかで落としてきた、あるいは心の奥底に封印してきた「名前のない感情」の断片が、鮮烈な情景と共に広がっています。
この作品の凄まじさは、一瞬で読めるはずの
「一行」が、読者の脳内に数万文字分にも匹敵する濃密なドラマを強制的に上映させてしまう圧倒的な筆力にあります!
ある時は甘い記憶を呼び起こし、またある時は執着や嫉妬という名の刃で心の一番柔らかい部分を無慈悲に抉ってくる。
たった一行を読み終えた瞬間、視界が滲んだり、あまりの衝撃に数分間立ち尽くしてしまったり……。
行間に潜む膨大な「語られなかった物語」を
想像せずにはいられない、劇薬のような言葉の魔法をぜひ体感してください!