第21話 鉱石の可能性

 エリナが無事に回復することを願う気持ちが、作業をする手を鈍らせた。

 運搬作業に集中できず、鉱石のことを思い出す。


 自分が拾った鉱石のことを振り返り、回復に役立つ可能性に思いを馳せる。


  ―エネルギー結晶―


 理由: 自然界から蓄積したエネルギーを穏やかに放出することができるが、過剰な使用によりエネルギーが暴走する危険性がある。


 変異元: 地球のエネルギーが長い時間をかけて結晶化したもので、自然の力を象徴する鉱石。


 特性: エネルギー結晶は、自然界のエネルギーを吸収し、必要に応じてゆっくりと放出する能力を持っている。これにより、生命力や体力の回復を促進する効果が期待され、特に疲労や怪我からの回復を助ける。


 用途: エネルギー結晶は、治癒用のアイテムや装備、さらにはエネルギーを必要とする魔法や技術の補助として使用されることが多い。また、様々な薬剤に混ぜることで、効果を高める役割を果たす。


 ―――


 ―ゼロポイント結晶―


 理由: 身体の自然治癒力を強化するが、不適切な使用により身体への過負荷やエネルギーの不均衡が生じる可能性がある。


 変異元: 未知のエネルギーが絡み合い、量子状態で安定した形に結晶化したもの。


 特性: ゼロポイント結晶は、身体のエネルギーバランスを調整し、負傷部分の修復プロセスを加速させる能力を持っている。この結晶が持つエネルギーは、細胞の再生や修復を促進するため、特に怪我の治療に有効とされている。


 用途: ゼロポイント結晶は、治療用の装備やアイテムに用いられることが多く、医療魔法の強化にも活用される。また、身体の回復を促進する薬剤の材料としても使用される。


 ―――


 そして、三種の鉱石を見たときの説明も思い出してみた。


  ―回復プロセス―


  エネルギー結晶の放出

   自然界から蓄積したエネルギーを供給

   生命力・体力の回復を促進

  ↓

  ↓

  ゼロポイント結晶の適用

   自然治癒力を強化

   エネルギーバランスの調整

   負傷部分の修復プロセスを加速

  ↓

  ↓

  フォトン結晶の照射

   光エネルギーを傷ついた組織に当てる 

   細胞の修復・活性化を促進

  ↓

  ↓


  ―生命力が回復―


 エネルギー結晶の供給によって基盤が整い、次にゼロポイント結晶で治癒力を強化し、最後にフォトン結晶で光を当てることで…と、こんな感じだった。


 …これ、作れるのを他の人に知れるとまずくないだろうか?


「………」


 …やっぱり、隠し通さないとオレの身が危なくなりそうだ。


 だけど…使えるものは気づかれないように使っていこう。


 改めて、オレはそう思ったのだった。


「さて、エリスのいる病棟に様子を見に行くか」


 オレは、自分のやるべきことも終え(パワーグローブを使って)、病棟へと向かうのだった。


 病棟に着くまでの間、エリナの顔がどれほど安らいでいるのか、まだ、苦しんでいるのか…安否を気遣いながら…

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