第13話 鑑定と頭痛と
洞窟の内部は、湿気がこもり、壁面から滴る水滴が冷たく、薄暗い空気が重く圧し掛かるようなジメジメとした雰囲気が漂っていた。
そんな中、撤収作業をしている時にふと気になり、小石のようなグラビティナイトとヌリウムを手に持ち、じっと観察した。
その瞬間、さっきとは違う頭の中に文字が浮かび上がる。
―グラビティナイト―
特性: 重力を操る
効果: 物体の重さを軽減する
用途: 荷物の運搬が容易に
→ ヌリウム
特性: 他のエネルギーを吸収・無効化
効果: 魔法・技術のエネルギーフィールドを抑制
用途: 反魔法防具に最適
組み合わせの可能性
グラビティナイト + ヌリウム
軽量化 × エネルギー無効化
→ 簡易的なパワーグローブの制作可能
―――
…なんだこれっ!?
どうい…うことだ?
「………」
…二つを組み合わせると制作出来るものが分かるのか?
オレはもう一度、試しに見てみる。
すると、やはり同じように文字が出てきた。
…よくよく、周りを見てみると鉱石ぽいのを見るたびに、頭に文字が浮かぶ…
これ…結構頭が痛くなる…
こんなダンジョンで周りをみるのはきついな…
鑑定が出来るのはいいが…
なんとか出来ないものか…
大体2メートル範囲だと、見分けが付きそうだな…
そうかっ!
下を向けば…って、下も鉱石あると出てくじゃないか…
ああ…我慢するしかないのか…
なんとか、自分の意思で発動できるように制御する方法はないのだろうか…
「よし、じゃあ撤収するぞ。小僧、準備できたか?」
オレが悩んでいる間にも撤収準備が完了していた。
オレは、頭を振り、まずは戻ることに集中する。
「はい、だいじょうぶですっ! 帰りましょう」
そうして、冒険者とオレはダンジョン出口を目指すのだった。
冒険者たちは、楽しそうにこれからの分配について話している中、オレはさっき、出てきた制作できる物のことを考えていた。
…パワーグローブか。
あれば、道具の運搬とか楽になりそうだな。
オレは、密かにポケットにしまいこんだ二種類の鉱石に手をやってみた。
たぶん、小石ほどのサイズのため、ポケットの底に入れておけば、粗い検査では見つからないだろう。
けど、さすがに混ぜて持ち運ぶのは怖いので別々の場所に隠し持っている。
あとで、誰にも気づかれないように試してみよう。
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