第4話

デイビッドは赤いくるくるの巻毛をしている。瞳の色は目の覚めるような金色で、せが、とても高い。190cmはあるんじゃないだろうか。僕が170だから、二人で並ぶと結構な威圧感がある。

デイビッドはいちいち色っぽい男だった。彼の、グラスを持つ繊細な指先が僕の指先に触れる。もうすでにアタックされているとわかった。いくら鈍い僕でも、それぐらいは、わかる。

でも、僕、ノンケなんだよなあ。

ふと、思いたった。今の僕の悩みを、この男に聞いてもらったらどうだろう。僕は口を開きかける。

いやでも、ダメだ。そんなの、こっちから食ってくださいと言っているようなものじゃないか!

首をブンブン振ると、デイビッドは不思議そうににっこりした。

今はかずまの頑張りを見届けながら、できるだけこの男とは距離を取りたい。

そう思った矢先だった。

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