第三十四話 見通し良い場所で戦闘です
朝っぱらからの怒鳴り合いの末、結局、どちらの師匠に先に行くかは決まらなかった。
いや、正確には決めさせてもらえなかった、と言うべきか。
俺の意思なんて、アニスとリリスの前では装飾品レベルの価値しかないらしい。
「まあまあ、落ち着いてください」
そんな激しい口論に、義弟カインが冷静な顔で割り込んできた。
彼の落ち着きは、もはやこの家で最も貴重な資源――というか、フィオナと共に数少ない癒しだ。
「どちらに向かうにしても、まずは別邸に立ち寄る方が良いと思います。
あそこなら荷物の整理もできますし、街道の情報収集にも便利です」
「ふむ、確かに……別邸なら途中の拠点として最適だな!」
「それなら文句はないわ。別邸で戦術を練り直すこともできるし」
「……あの、アニス先生とリリス先生は、別邸に行かれたことありましたっけ?」
カインが思い出したように問いかけると、アニスとリリスは微妙な表情になった。
「ああ、まあ……前にちょっとだけ」
「ええ、少しだけね」
……少し?
以前来た時はそのまま紅い教団絡みで学園に飛ばされるはめになったけど、その後アニスは別邸の芝生を「実にいい環境だ!」と言って剣を振り回していたし、リリスも築山に面した四阿を「静かで快適」と気に入っていたはずだが……?
カインと俺がちらりと視線を交わしたのを見て、二人はそっぽを向いて咳払いする。
「と、とにかく! まずは別邸に行くのが先決ね!」
「よし、決まりだな!」
こうして、アニスとリリスの不毛な争いは一時的に停戦となった。
移動手段については、俺の愛車であるゴーレム馬車がある。
貴族の子弟が自分で操ることも珍しくなく、一応は不自然ではない仕様だ。
だが、このゴーレム馬、問題がある。
女性型のケンタウロスであることだ。
優雅な彫刻のような顔立ちに、しなやかな四肢。……そして、なにげにエロい。
しかも普通の馬よりも上半身分さらに大きいせいで、ただでさえ目立つ馬車がさらに異様な存在感を放っている。なんとなくアリシアと言うよりリンディさんかな、顔付きとか微妙に似ている。
ちょっとリンディさんに似てるかなと思ったら、なんだか顔が熱くなってきた気がする。
……いや、購入したのリンディさんなんだけどね!?
「じゃあ、俺はゴーレム馬車で行く。こいつなら多少の悪路も問題ないし、何より──」
俺はケンタウロスの馬体側面を軽く叩き、わざとらしくニヤリと笑うと、不敵な感じで言った。
「うるさい二人と同じ空間に閉じ込められる心配がない」
「はぁ!? 何その言い方!?」
「まったく、アル君ってば失礼なんだから!」
──即座に二人の抗議が飛んでくる。
が、次の瞬間──
「だったら、私がレオハルトの隣に乗る!」
「いいえ、私がアル君の横に乗るわ!」
──はい、まさかの再戦開始。
アニスとリリスが再び睨み合い、俺の助手席を巡る第二ラウンドが始まった。
「剣の心得があるなら、ドライバーの補佐ができる私が適任だな!」
「は? 魔法で
「お前の魔法、たまに暴発するだろ!
『失敗しちゃった☆』じゃねぇよ!」
「アニスの補佐って、結局『どかーん!』って力任せになるじゃない!
『力こそパワー』って何よ、それ、一体!?」
──もはや助手席が戦場。
俺は疲れた顔で両手を挙げ、冷静に事実を突きつける。
「お前ら、ゴーレム馬車は二人乗りなんだよ」
「知ってる! だから私とレオハルトでちょうどいい!」
「その通り! 私とアル君でピッタリ!」
……話が通じてない。
ため息をつき、俺は最終手段に出た。
「じゃあ、俺が一人で乗る。これで解決」
二人は一瞬固まった。
「……は?」
「……え?」
「一人がベストだろ。誰も文句ないよな?」
──沈黙。
カインとフィオナが遠くで冷ややかに見守る中、ようやくアニスとリリスの争いは終息した……かに思えた、その瞬間。
「あら? アルヴィンの横が空いているなら、私が乗ろうかしら」
──その場にいた全員が一瞬、時が止まったかのように固まる。
義母のリンディが、どこからともなく優雅に現れ、微笑みながら提案したのだ。
俺は思わず背筋を伸ばし、カインとフィオナが同時にため息をつくのが聞こえた。
アニスとリリスも、さっきまでの戦闘態勢から一気に冷静な顔になり、互いに目を見交わしている。
「……いや、リンディさ……いやいや、リンディ義母さん、それは……」
俺が何とか言葉を絞り出そうとした、その時だった。
「ウォルター、ダメかしら?」
リンディはすぐさま、執事のウォルターに確認する。
「奥様、お仕事が残っておりますので、それはお控えください」
即答だった。しかも、一切の迷いもない。
しかし、義母は引き下がらない。
「……そう。でも、私が少し出かけても、大丈夫ではなくて?」
「いいえ、奥様。お留守の間に処理すべき書類が山積みでございます」
「……ほんの短い間なら?」
「短い間で終わるような量ではございません」
「……では、明日やるというのは?」
「本日中に終えなければ、明日はさらに増えます」
「……そう」
リンディは考え込むように微笑みながら唇に指を当てた。
「では、ウォルターが代わりにやってくれるというのは?」
「奥様の決裁が必要なものが多く、代理は不可能です」
「……ダメかしら?」
「ダメでございます」
──まさかまさかの五連続の確認と、即答拒否。
リンディはうっすらと微笑んだまま、ふっとため息をついた。
「ふふ、残念ね。アルヴィンと二人きりの旅、少し楽しみだったのだけれど」
やめてほしい。心臓に悪い。
その言葉に、カインが呆れた顔で口を開く。
「母さん……兄さんを困らせてどうするんですか」
フィオナも静かに頷きながら、淡々と一言。
「……本気で言ってるのなら、少し問題があると思いますよ、お義母様」
「まあ、カインもフィオナも冷たいわね。せっかくの機会なのに……」
リンディは二人を見つめながら、くすくすと笑う。
「それに、私が乗ればアニス先生やリリス先生のように言い争ったりはしないわ?」
「いや、そういう問題じゃなくて……」
俺が口を挟もうとしたが、ウォルターが一歩前に進み出て、冷静に告げた。
「奥様、そろそろ執務に戻らないと、今日の予定が遅れます」
「……あら、そうだったわね」
リンディは肩をすくめながら、やれやれとでも言うように微笑むと、俺の方をちらりと見た。
「まあ、またの機会にしましょう。アルヴィン、次は覚悟しておいてね?」
俺は無言で、背筋に冷や汗が伝うのを感じた。
ウォルターの冷静なツッコミでようやく再び平和(?)が訪れ、
俺はついに一人きりのゴーレム馬車での移動権を勝ち取ったのだった!
はぁ……
旅は順調だった。
……最初は。
新たに整備された街道は、これまでの旧街道とは比べ物にならないほど快適だった。
俺たちが進むルートは、先日ようやく開通した新街道。険しい山道を迂回する必要がなくなり、距離も短縮され、宿場も増設されている。
両脇には防風林を兼ねた並木道、と言ってもまだ木は育っていない、が続き、舗装された道は馬車でも快適な走行が可能。さらに、途中には安全確認のための詰所が設けられ、定期的に騎士団や警備兵が巡回しているはずだった。
──はずだった。
「……風の流れが、おかしい?」
俺はゴーレム馬車の操縦席で、ふと違和感を覚えた。
さっきまで心地よく吹いていた風が、急に止んだような感覚。
ほんの一瞬、鳥のさえずりすら消える。
その直後、遠くから響く馬の蹄の音。
だが、ただの旅人や商人ではないと、すぐにわかった。
──速すぎる。
振り返ると、カインたちの馬車の周囲に、赤い外套の影が現れていた。
黒にも見えるが、陽の光に照らされるとわずかに浮かび上がる深紅の布地。
風になびく赤いバンダナや、首元に巻かれた赤いスカーフ。
「……紅い教団、か」
彼らは街道の整備を利用して、何かを企んでいると俺たちは予想していた。
だが、まさかこんなにも早く接触してくるとは。
俺は即座にゴーレム馬車を停止させ、魔力制御を切り替える。
後方では、アニスが剣を抜き、リリスが魔力を集中させているのが見える。
カインも素早く馬車から飛び降り、フィオナは冷静に短剣を手にしていた。
「ここで待ってろ、ゴーレムくん」
俺は馬車から降りると、
彼女──いや、ゴーレム馬は、俺の意図を理解したかのように静かに待機姿勢に入った。
「まったく、せっかくの静かな旅が台無しだ」
俺は使い慣れた多節棍を取り出し、軽く回して感触を確かめる。
「お前ら、俺の平穏を邪魔した罪は重いぞ?」
紅い影たちは無言で武器を構え、こちらに向かって突進してきた。
街道の平穏は、再び紅い影に染められていく。
紅い教団の襲撃は予想以上に激しかった。
「くっ、しつこいわね!」
リリスが魔法陣を展開しながら、苛立たしげに声を上げる。
彼女の背後に浮かぶ魔法陣は次々と形を変え、膨大な魔力が周囲の空気を震わせていた。
そして次の瞬間──
「焼き尽くしなさい、《フレイムバースト》!」
リリスの手から放たれた火球が紅い教団の一団を爆炎で包む。
火柱が立ち上がり、爆発の衝撃で周囲の土煙が舞い上がった。
だが、炎の向こうから飛び出してきた紅い教団の戦士たちは、魔力障壁を張ったまま突撃してくる。
「……へぇ、なかなかやるじゃない」
リリスは口元をゆるめるが、その瞳は鋭いままだ。
対魔法の防御を施した連中、となるとただの信者ではない。
紅い教団の中でも、実戦部隊の可能性が高い。
「おいおい、油断するなよ。ほら、来るぞ!」
その隣では、アニスが素早く剣を振るい、襲いかかる敵を斬り伏せていた。
流れるような剣筋、無駄のない動き。
だが、それ以上に目を引くのは彼女の戦いぶりだった。
「ったく、魔法使いってのは派手な攻撃ばっかりだな!」
アニスは笑いながら、飛びかかってきた敵の剣を弾く。
「まあね。でも、あなたみたいに脳筋な剣士ほど単純じゃないわよ?」
リリスは軽口を叩きながら、新たな魔法陣を展開する。
「おっと、それはどうかな?」
アニスはニヤリと笑い、敵の剣を受け流しながら、一歩踏み込んだ。
「この程度で、私を止められると思うなよ!」
振り下ろされた剣が、敵の鎧ごと叩き割る。
だが、その直後、リリスが小さく舌打ちした。
「ちょっと、調子に乗らないでよ。あんまり無茶しすぎると、後で回復魔法をかけるのが大変なんだから」
「は? そっちこそ、大技ばっかり使って疲れたんじゃないのか?」
「ふふ、何言ってるの。私は優雅に魔法を操るのが仕事よ」
「どの口が言うんだ、それ」
そう言いながらも、アニスの視線はリリスの魔法陣の動きを注意深く追っていた。
一方のリリスも、アニスが囲まれないように、魔法の火線を絶妙なタイミングで放っている。
お互い余裕がある風を装っているが、その実、どちらも相手の動きにしっかりと気を配っているのが見て取れた。
「……やれやれ、こういう時くらい素直に心配し合えよ」
俺はそうぼやきながら、多節棍を振るって敵の武器を叩き落とす。
街道の別の場所では、カインとフィオナが見事な連携を見せていた。
カインは剣を構え、落ち着いた動きで敵を迎え撃つ。
無駄な動きは一切なく、敵の攻撃を最小限の動作で受け流していく。
「フィオナ、三歩後退!」
「了解」
フィオナは即座に後方に下がる。
その瞬間、カインが敵の攻撃をいなして反撃に転じた。
敵の剣が空を切ると同時に、カインの剣が流れるような動きで敵の懐へと突き刺さる。
「……ふぅ、なんとか片付いたな」
「まだよ、右側!」
フィオナが即座に警告を発し、手元の短剣を投げる。
鋭く放たれた短剣は、カインの死角から襲いかかろうとしていた敵の喉元を正確に貫いた。
「……助かった」
カインは短く礼を言いながら、剣を構え直す。
「別に当然よ」
フィオナは感情を表に出さないまま、再び短剣を構えた。
だが、その指先がわずかに震えているのを、カインは見逃さなかった。
「フィオナ、大丈夫か?」
「平気よ」
即答だったが、カインは微かに眉をひそめた。
「……無理はするなよ」
「カインもね」
フィオナは一瞬、カインを見上げた後、再び戦闘に集中した。
カインもまた、彼女を守るように立ち位置を調整しながら、剣を構える。
まるで長年の戦友のような息の合った動き。
しかし、戦いはまだ終わっていなかった。
「次、後ろ!」
フィオナが素早く告げると、カインは剣を横薙ぎに振るい、後方から襲いかかる敵を弾き飛ばした。
その隙を突くように、フィオナは短剣を鞘に収め、代わりに両手を前に掲げる。
「アイスランス」
氷の槍が無数に生み出され、一瞬のうちに敵陣へと放たれた。
空を切り裂く氷の矢が、紅い教団の戦士たちを貫く。
「魔法も使えるのかよ」
カインが驚いたように言うと、フィオナはわずかに口元をほころばせた。
「ふふ、内緒だった?」
「いや……俺より器用なんじゃないか?」
「それはどうかしら?」
フィオナは淡々と答えながら、再び短剣を抜く。
戦闘に集中しながらも、二人の間には奇妙なほど落ち着いた空気が流れていた。
そんな二人の様子を遠目に見ながら、俺は思わず呟いた。
「……戦闘中までいちゃつかなくても良いのに」
少し大きめの声で。
カインの剣がピタリと止まり、フィオナがちらりとこちらを見た。
そして、ほぼ同時に。
「そんなわけないだろ!」
「別に、いちゃついてないわ」
二人の声が、妙に揃って返ってきた。
……いや、揃うなよ。
俺は多節棍で紅い教団の兵士を叩き落としながら、苦笑する。
「どうだかね」
すると、カインは小さく咳払いをしながら、敵を斬り伏せると、俺を睨んできた。
「兄さんこそ、油断しないでください。敵はまだいますよ」
「はいはい、弟に心配されるとはな……でもまあ、ありがとよ」
俺は多節棍を構え直し、迫る敵へと視線を向けた。
戦いは、まだ終わらない。
油断している余裕は無かった。
しかし……
紅い教団は確かに戦闘慣れしているが、それだけではない。
彼らの動きには無駄がなく、まるで統率の取れた部隊のようだった。
単なる盗賊や夜盗とは違う。
──まるで、何かを待っているかのような……
「……いや、待ち伏せか?」
その疑念が脳裏をよぎった瞬間。
──ズズンッ……!
地面が揺れた。
「!?」
俺たちが驚いている間に、紅い教団の一団が道を開けるように退いた。
そして、そこに一人の男が姿を現す。
長身で端正な顔立ち。洗練された騎士のような身のこなし。
しかし、その目には冷たい光が宿っている。
「……やはり、君がここにいたか」
静かに、だが確信を持った声が響く。
俺はその顔を見た瞬間、眉をひそめた。
「……アラン・シュトラウス?」
以前、リヴィアのお見合い相手として出会った男。
だが、今の彼はあの時の礼儀正しい青年ではない。
洞窟で共和派の過激分子の一員として戦ったときの姿、そのままだ。
しかし──
「どういうことだ……? お前が紅い教団と一緒にいるなんて。
確かに共和派の過激分子と一緒にいたが……」
目的も思想も微妙に違うはずなのに、なぜアランがここに?
俺の問いに、アランは軽く目を伏せ、そして淡々と告げた。
「君が邪魔なんだ、アルヴィン・フォン・ロイド」
「……は?
俺の名前は、アルヴィン・レオハルト・フォン・ヴィンターハルトだけど?」
「最初は様子を見るだけのつもりだった。だが、君は計画の障害になると判断した。
だから──君にはここで消えてもらう」
その瞬間、彼の剣が抜かれる。
迷いのない、美しい動作。
だが、その剣は俺を殺すためのものだと直感した。
「──構えろ、アルヴィン・フォン・ロイド」
静かな、だが確固たる敵意を込めた声と共に、アランは剣を構えた。
俺は無意識に多節棍を強く握りしめる。
「……なるほど。お前が敵ってわけか」
だが、まだ腑に落ちない。
共和派の過激派と紅い教団は、少なくとも表向きは別組織のはずだった。
アランは確かに共和派の過激分子だったが、紅い教団とは無関係のはず。
だが、この状況を見る限り──
「お前……共和派の人間じゃなかったのか?」
俺の問いに、アランは薄く微笑んだ。
「その認識は誤りではない。私は共和派の一員だ」
「じゃあ、なんで紅い教団と……」
「共和派と紅い教団の理念には、重なる部分も多い。
だが……共和派は単に首を挿げ替えることを世界を変えると言っているに過ぎない。
紅い教団が世界を壊すのは、全く新たな世界を創るために──な」
「……新たな世界?」
「そうだ。君には理解できないだろうが、王政を倒した後の新たな秩序が必要だ。
そのために、我々は手を組んだ」
「……待てよ。それってつまり、お前らは共和国みたいな国を目指してるわけじゃないのか?」
俺の言葉に、アランの瞳がわずかに細まる。
「今の共和派は、ただの理想論者の集まりだ。王を倒した後の青写真すらまともに描けない。共和国同様、
だが、紅い教団は違う。彼らは本来の、正しい、あるべき秩序を築くために、不要なものを排除する覚悟がある」
その言葉に、俺はようやく気づいた。
アランは単なる共和派の過激分子ではない。
紅い教団の理念に染まった、より過激な存在だったのだ。
「お前……もう共和派ですらないんじゃないのか?」
「ふふ……君は鋭いな。だが、そんなことはどうでもいい」
アランは剣を構え直し、静かに宣言する。
「──君は、ここで死ぬのだから」
再び、剣戟が響く。
紅い教団の戦いは終わらない。
そして、アランとの本当の戦いが幕を開けた。
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