市井を外れてなお生きる。許された生き方は、ただひとつだけ。もしかすると、不条理という本質をつくはずの言葉は、じつは外部の人間だからこそ、躊躇なく使えるものなのかもしれない。花を冠した彼女に、確かにあったもの。ただそれだけをほとといく思いで、その結末を嚙み締めた。文章は平易でありながら、誰にでも読み進めることができる作品ではないとは思う。ただ、そうでありながらも、この作者様の、生への深い洞察が結実したであろうこの物語が、いつかあなたの琴線に触れることを願う。
「花は、咲う。」を拝読し、レビューを書こうか迷いました。でもそれは、お話が面白くないとかレビューを書きたくないとかそういうことではなく、むしろその逆で、どんな逆境にも咲き続ける悲しくも美しい花を私の声で枯らしてしまうのが怖かったからです。だから、私は言葉を綴りません。代わりに皆さまのその瞳で、この物語に宿る命の美しさ、そして儚さを直に確かめてみてください。とても――素晴らしい物語です。