ピンチに陥った騎士隊長!

深紅の鎧に漆黒の大剣を腰に差したフェリシアお嬢さま。

メイド服風の黒い鎧に大鉈と黒い大きな盾を使うメイドのマルグリット

そして今回は

濃紺の騎士隊長としての鎧を着用し銀色の大剣を使うエーリッヒ騎士隊長。


すでにフェリシア、マルグリットが魔物たちを片付けていた。

「次はエーリッヒさまの番ですわよ」

「了解した!帝国騎士団としての実力をご覧に入れましょうぞ!」


突如、地面が二つに割れ、そこから出てきたものは・・・

あのときと同じ巨大な一つ目のオークだ。

「エーリッヒさま!目を見てはいけません!」

「解った!」


緑色をした巨大なオークに大剣を向け、じりじりと迫るエーリッヒ。

オークも大きなハンマーを振り下ろし威嚇している。


ぎゃぉぉぉぉぉぉーーーーー

「来い!お前ごとき瞬殺だ!」


突進してくる巨大オークを、ひらりとよけると壁づたいにオークの背後に回り


「それっ!」

オークの左肩に飛び乗った!

「ずいぶん身軽ね。あの鎧を着ている割には」

「そうですね、やはり帝国騎士団のお方ですね」

飛び乗るやいなや、その大剣をオークの首に突き刺した!


ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぉぉ

あまりの痛みにのたうち回る巨大オーク。

それから飛び降りると、左足を切り裂いたため・・・


どすぅぅーーーーーーんと土ぼこりを上げてオークが転倒した。


頭上に登り大剣を脳天に突き刺し「これで止めだ!」そしてオークは動きを止めた。


「ふぅ・・・大きさの割には大したことは無いですね」

「さすが帝国騎士団隊長ですね。では次に参りましょう」


ゲルベロスが居たり、キラービーン、スネークの襲撃を受けたものの・・・

「これが最後の部屋です」

マルグリットがドアを開けると、そこに居たのは・・・


女ダークエルフだ。

黒いフードに同じ色のマスクをし、赤い瞳の目しか見えない。

だがその目は殺意に満ち、黒く俊敏性を備えた軽めの武装に短剣を帯びている。


「なんだ人が居るのか?」とエーリッヒは勘違いをしている。


じょじょに近づくダークエルフ。

次の瞬間、エーリッヒの目前に瞬間移動し、

短剣で突き殺そうとした。だが一瞬早くエーリッヒが後ろに飛びのき、それを防いだ

そして、ダークエルフの短剣とエーリッヒの一騎打ちが始まった。


キンキン・・・カンカンカン・・

俊敏なダークエルフがエーリッヒをまさに翻弄している。


両者一歩の譲らず、激しい打ち合いが続いている。

「エーリッヒさまが押されています」

「そうね・・・助太刀に入りますか」

「お待ちください、お嬢さま。騎士としての実力を見るのではなかったですか?」

「そうは言っても、結構押されていますね」


「うっ・・・」

「エーリッヒさま!」

一瞬・・・

かはっ・・・・

ダークエルフの短剣が、エーリッヒの右腕を切り裂いた。

分厚い鎧をもものともしないダークエルフの攻撃・・・ダークエルフがニヤついた。


そのとき・・・

ヒュンヒュンと軽い音を立てて、ダークエルフの背後から矢が飛んできた。


「えっ?ここにアーチャー?」

「まさか、聞いたことが有りません!」


暗闇の奥をよく見ると、確かにダークエルフアーチャーが2体。

「あの二人を殺さないとエーリッヒさまが危ないわ」

「どうやらそのようですね。私が前に出ますから、お嬢さまは後からお出で下さい」

「頼むわマルグリット」


矢が飛んでくる間にもダークエルフとエーリッヒの、まさに死闘が続いていた。

二人の女ダークエルフアーチャーが連携し前進しつつ、弓矢を放ってくる。

その弓を公爵家の紋章のついた大楯で跳ね返しつつ進むマルグリットとフェリシア。


マルグリットはフェリシアへアイコンタクト。

ダークエルフとエーリッヒの死闘を横に、

すばやく一体のダークエルフアーチャーに接近すると、そのアーチャーは懸命に矢を放つ。だが、その漆黒の大剣を横に薙ぎ払う・・・

ぐわっ!

と目を大きく見開いたまま、声と共に胴体を真っ二つに切断され死んだ。


飛んでくる矢を大楯で防ぎながら、前進するマルグリット。

その盾でダークエルフアーチャーを壁際に追い込み、身動きを取れ無くした。


そして・・・


ぎゃぁぁぁぁぁ

大鉈で袈裟懸けに斬られたアーチャーは断末魔の叫び声を発しながら

崩れ落ちるようにして斃された。


残すはエーリッヒと死闘を繰り広げる一体のダークエルフのみ。


だが・・・

息が上がり気味のエーリッヒに対して、ダークエルフは素早い動きで翻弄している。


「マズいことになりましたね」

「そのようです。如何されますか?」

「エーリッヒさまが戦死されたら、公爵家としても大変です」

「助けに入りましょう」

「解りました、控え気味に。よろしくてね」

「承知しました、お嬢さま」


死闘を繰り広げる二人の横に、完全武装のフェリシアとマルグリットが立つ。


ダークエルフへ圧をかけるためだ。

フェリシアは漆黒の大剣を、マルグリットは大鉈をダークエルフに向け、

いつでも攻撃できる体制を取って、プレッシャーをかけている。


徐々に俊敏な動きがウリのダークエルフの動きがやや遅くなってくる。

そこへエーリッヒの鋭い剣で、なんども傷つけられる。


そして・・・












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