第9話 失恋ブルースカイ

晴れた青い空に高く手を伸ばす。

何の反応もない。冷たい風が吹いているだけ。

ただただ1人で歩くまっすぐな道。

清々しく晴れていても何だか寂しい。

誰かに声をかけてほしいのかもしれない。

話し相手になってほしいのかもしれない。

今日は好きな人に告白して断われた帰り。

誰かに縋りたいと思ってもあるのは綺麗な空だけ。今はただ泣くだけ泣いた。


何の変哲もない日常に戻るために、

ただひたすらに泣くだけだ。


1羽の白い鳥が、私を置いて空を飛んでいく。

冬が近づいていた。


私の心も寒くなる。

帰ったら温かいおでんでも食べようかな。

肉まんもいいなぁ。

好きな食べ物のことを考えて気を逸らす。

誰のことを好きだったんだっけ。忘れちゃったなぁ。

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