第30話
全身の身の毛がよだつとはどれだけの状況をいうのだろうか。それにへと巻き込まれてしまったのは恐ろしいくらいの現実となってしまったともいえる。
恐怖心を煽ってくるのは死神の本領とでもつもりだろうか。それに耐えられる存在というのは決して多くはないと自覚しているのに。それでいられるのは自分であるともいうのは一度知ってしまえれば驕りにもなりかねない。
何もかもと言い出してしまうのはたとえここにいるのが女三人である時点で何気にかなりの苦労を背負っていることに変わりない。大きな窓を壊されてそこから一気に攻撃を仕掛けられてしまっていたのはかなりの面倒を押し付けてしまったので非常に申し訳なくなる。
明確に大鎌振り回してきているそれを相手に戦わされている時点で普通の女の子には苦労で済むはずもない。どれもこれもと
ならばここで変わると宣言した以上は床に倒れ伏せようともそれに構っている余裕は………………それこそない。
負けたくはない。誰だって正直な気持ちで命あるものは死にたくないと喚くのは何もおかしなことではないと。それでもまだまだ生きているのならみっともなく喚くのはだらしないではないか。
「任せた。負けるつもりなら本気で怒るよ」
出血ばかりの傷だらけになってしまった
それくらいにはへんてこな動きである。為してこうなったのか。落ち着きがないだけかもしれんが
「わかっている。あれを倒すことが出来るなんてそんな他人がいるなら私に教えて欲しいんだけれど。せめて逃げ切ることだけでも叶えることが出来ればいいなぁなんて思ってしまったり………………」
(さてはこいつなんも考えてねぇな)
どこか他人を信じていないような目を
具体的な描写まで想像してしまったら思わず鼻で笑ってしまう。何気にすごく凄くシュールで面白いんだけれど。
「ぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷ」
「ちょっと笑い過ぎだって。少しは落ち着いて呼吸を整えた方がいいんじゃない」
もう友人がこの状態となってしまっているのを眺めているのはかなりの苦痛であるものだとも
「何すんのよ。びっくりさせてもらってもこっちだって出るところでてやりゅから」
「出るところってどこよ。そんなのをいうよりも自分の舌が廻っていないのを自覚するべきですよ。お願いだから落ち着いてくれって」
本当に落ち着いてはくれていないらしいのか。ゆっくりと深呼吸をしてみればそれで何とか落ち着いた様子であるためにこれは
「………………………………それでさぁ、おかしいと思うことがあるんだけれど」
「いったいどうした?心配事があるなら共有しておくべきだと思うから早く言ってくれって。そうでなければ一瞬のことが命取りになってしまうわよ。手遅れになる前に早くッ」
「そこにいた死神って一体どこに消えたのかしらねぇ」
随分と呑気な声で、調子で言いやがった
人っ子一人いない景色の広がっているショッピングモールの通路の一つであったのだ。何でこうなったのかと言われてしまえば言葉なんて必要ない。
深刻なことに誰もいなくなってしまっているのは夢の世界なのかと思わせてくれるのだ。あれだけ宙に浮いて死神然としていた姿をしているあの誰かさんがここから居なくなってしまったのにはふつうは喜ぶべきなのだろうが。
残念ながらもそんな風には居られないのがここにいる三人だ。そして他の二人の誰よりも心配事を起こしてしまっているのがトイレの花子さんである。本当に彼女が誰なのかなんてその他の二人にはっきりと理解は出来ていない。
なのに心配してついてきているのをどうにか注目を浴びないようにと配慮しているのは互いに出来ているとしか言いようがないのか。こうまで何とかやっているのは凄いとしか、女三人寄れば姦しいともいうが自然と静かにいられるのは完璧まで成り立つのが完成されているかも知れない。
「もしかしてさっきの人の元にへと追いかけていったのかも………………それであればどうしたら」
「「よし、確認していきますか」」
花子さんの発言からしてそれを聞いた
「ねぇ、それって………………もしかしてアンタがいうとさぁただの善意でいっているようには思えないんだけれど。アンタがこの極限状態でマトモなことを考えているとは思ないから話の内容をあたしにも分かるように聞かせて欲しいのだけれど」
あぁそうか。だったらその正直な気持ちを言えばいいのか。
「いやぁ、分からないことがあるのは凄く不安になってしまうのは人間として特に間違った判断とは言えないでしょう。私だってもあの死神の前にへと立つのは怖いわよ全くそれくらい。でも、それでも貴方に一度は押し付けてしまったことを考えればどうしても申し訳ないとも思う。だったら、私だってあなたに一人で任せてしまったその立場をやってみたい。それが私の正直な気持ち。何か問題あるかしら。問題があるなんていうのならこの場で殴り倒してみなさいよッ‼」
思いっきり胸に手を当てて
これくらい強気でなければ恐らくはこの世界観で生きてはいけないのだろう。そんな風にも思ってしまったのが
「薬価まし言ってえぇのっ‼」
「舌が廻っていないってえぇのッ⁉」
もうお互いにおかしくなってしまっている状態だ。一撃殴られてしまえばそれには全く以てびっくりしてしまった
飛んでいったら壁にまでぶつかるまで止まってはくれなかった。その直後にて起き上がっていこうとする。だがどうしても呼吸がちょいとうまくいかなくてゲホゲホと咳き込んでしまう。痰が絡まってしまって辛い。これも年のせいかなぁとも思ってしまったが、自分の年齢を数えたらそこまで言われるくらいの年には明らかに到達していないことを思いだす。
「楽しそうだなぁ。私も参加したいなぁ」
「「やめておけって。これを羨まし気に見る理由なんてないからね。どう頑張ってもいいことなんてなかから」」
本当に深刻な表情で、鬼気迫る顔で花子さん(仮)にへと迫っていっていた
あぁそうだ。これだけの無垢な少女をふざけた空間にまで送り付けてしまうわけにもいかないから。なんでこんなやり取りをみて参加したいなんて思うのか非常に理解を苦しんでしまう。
そこまでいけば大体思いついた考えなんていうのは出てくるものだ。わかりやすい誰だって納得してくれることが。………………いいや納得なんていうのはかなり難しいのではないだろうかなぁ。
((こんな………………………………虐待されているのをみて、される側になりたいなんて思う子供なんているわけもないでしょうし))
大体考えていることすら同じなためによっぽど似た者同士となるわけか。面白く笑えてくる。そしてしばらくしてやっぱりこれは不味いなぁと深刻な表情となる。
「じゃあ皆で行きますか」
「「オ――――‼」」
何故か音頭を取ったのが花子さん(仮)なのが不思議だ。どうやらこのやり取りが醜いとでも思ったのだろう。すいませんでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます