第27話
夢の向こう側というのは更に更にといけばどうなると思うだろうか。それはその身を焼かれてしまうだけで一巻の終わり、一貫から一環までがない、後で何が実行されてしまったのかといえば閲覧を試みようとすれば誰も同様の結果になってしまうだろうか。
だが夢の向こう側というのはいったいどこにあるのだろうかという疑問がある。それは俺が想像するに恐らくは死を受けた直後にて開いている扉のその先にあるのだろうかと予想している。そのための理論だって長年にわたって蓄積された経験値というのがある。数値化されたデータ内データのそれではなく、明確に勘の領域に含まれるものだが。
だとしてもそれが一番信頼のおけるものだとずっと………………これを信じられなくなってしまえばどこまでも結論だって出ずに最後の審判にまで一瞬にまで時間の経過をしてしまう。この場合の最後の審判なんていうのは世界を終わらせる一撃ということ。
その時には誰も諦めてしまう気もないと、それで勝てるのならひっくり返してしまえるのならそもそもそんな目には遭っていない。そこまで行く前に停めてみろというのに。だがそれこそAVENGEとなるのだろうが。それをしたい誰が、矢面に立ちたいとでも想像するだろうか。
「それなのにお前らはどうして俺を助けてきたんだ。これでも人間不信に陥っているのにこれでは対応に困ってしまうくらいなのに」
落ち葉を燃やしたその上に翳すようにして川魚が火でぼうぼうと焼かれてしまっている。その川魚の方を取っていき噛り付いていく
「なんだよ。他人との交流はもう嫌だということか。だったらいいさね。とっととここから離れていけばいい。だがそんなことは出来るわけもない。俺だって同じなのだから」
憮然とした表情をしながらも黙々と焼かれた魚を喰らい続けている男がいたのだが全身を怪我ばかりしているのがどうしても見て取れること、彼のそれがどうしても気になってしまうのはいけないことだろうか。
「同じなんて言われても俺とお前は違う人間だ。それともお前さんは人間ではないとでもいうつもりなのか。だとすれば非常に面白くなってくるということ。出来れば関わり合いにはなりたくないのですがねぇ」
そしてもう一本の方にへと手を伸ばしていこうとするのだがそこで手が止まってしまうのだ。ちょうど持っていこうとしていた一本を持っていったのが傷だらけの彼であったために。
「………………そんなに腹が減っていたんですか。よっぽどのストレスですか」
「体力の消耗なら激しいことではあるのだがそれを言えば君も同じことではないのかよ。ストレスがかかるなんていえば他人と輪を囲んでのサバイバルなんてのは当然のことだろうともいえるのに。それこそ何も知らない他人を信用しろとは気軽にいえることではないとよく言える。全部をなんて言い出してしまえればどれだけ楽だろうかなぁ。それこそ殺伐とした世界が見えるとしか言いようがないって」
それで次々に串刺しになったその焼かれた魚というのを取っていけば口に運んでいくことをしていく。その後にて行っていくのはやっぱりというのか、他にやることはないとはよくわかっていること。咀嚼くらいであったか。
ムシャムシャと咀嚼をしているその姿をどこか必死な様子だなんて考えてしまうのはこちらにそれだけの余裕がないということだろうか。
それにしてもこれからどうしていけばいいのかだって話も出来ていないのは不安が募るというモノだ。
(ようやく扉を開いたかとも思えばその先で一瞬にて命を刈り取られてしまう危機に瀕するなんて誰が想像したかよ。長年の悲願が叶おうとかいうのにそれが更なる障害を持ち込んでくるとは。これでは機嫌も悪くなって当然だともいうこと。俺が生きているのは恐らく確実とは言い難い。それすら不安になってしまう時点でそもそもどれだけ俺がいつもいつも不安定な次元にいるのか)
「気に入らないよな。どれもこれもをと言い出してしまえば欲を掻くぶんだけ無駄に命を費やすだけなんて今まで散々に………………そもそもが俺の生きている理由すらも何のためにあるのかすら不安になっているのにどうしろというんだか」
あぁまただよ。俺はこうなった場合にはしばらく元には戻ってくれはしない。もしかしてとも客観的に思えるだけはまだ成長したともいえるのか。だとしても冷静に製鉄に判断を下せない時点で無能とは呼べるのではないかともいえるのに。
「無能とは誰だっても呼ばれたくはない。俺はその通りなのに………………ってそんなにがっついても焼死した魚は逃げていかないっていうのにどうしてそこまで」
「焦りがあるだけなんですが。これでも大事な仲間がいる身分なので。そちらを誰かに狙われてしまうかもと思ってしまえば焦りもする。祈りを掛けたところでそれが世界に通ずるなんて保証はなし。通じたとしてもそれでも世界を敵に回しても折れない誰かがいれば実現してくれるとも限らない。ならばこそレースに負けたくはないという想いは上がってきて当然ではないか」
ここまで捲し立てられたところでようやく気付いてしまった。目の前の火がぼちぼちもうじき消えかかっている状態であるということ。後はまぁもうそろそろというくらいには………………ではなさそうだ。火の周りを見渡してみればそこには既に焼かれてしまって食われるだけだった魚が既になくなってしまっていたのだ。
「「えぇ」」
そこで思わず声を洩らしてしまうことになった
ボロボロにまで傷ついた二人をここまで運んできたのは誰だったか。意識を失ってしまって無防備であったその状態からどうにか多少とはいえ世話までやってくれたのは誰だったろうか。
これだけ安心できる川魚を運んできてこんな山の中で食っていかせることをしていくのはかなりの労力を要するのは誰だってわかること。そう、これくらい誰でもできるなんて気楽にいえる状況ではないのだ。
火炎渦巻く中からこの身を引っこ抜いてきた時点で相当の体力の持ち主だったのだろう。それで更に言えば大の成人男性を抱えて都会のど真ん中からこんな山の中まで走っていたのを想像してしまうのは体力の面で恐ろしく感じる。地面が決して硬すぎず柔らかすぎずというのはアタリをつけて前もって陣取っていたのではとも思わされてくれる。それくらいには丁寧な、それでいて目算で見込みで行っているくらいの加減の良さだ。
「そんなのをやっていたのがこんな小さな少年だというのだから恐ろしい。世も末というのはこういうことをいうのか」
「そうでもない。次の世代が着実に育ってきているという証明になるんじゃないかといえる。ただ言い方をした場合に複数の受け取り方を出来てしまうのが面倒だ」
まぁ話題の彼というのはムシャムシャカタカタと自らが獲ってきたきた魚をひたすらに貪り続けている状態だ。彼のその様子というのを眺めていればハムスターかというほどに歯が高速で動いている。顎が疲れたりはしないのだろうか。
だがそんな呑気なことを考えている
「その場合には私よりも君たちの方が圧倒的に上の世代ともとれるのでしょうが。機嫌を損ねてしまえばいつ命を失うかとも取れば恐怖で怯えてしまうこと間違いなしだよ」
一体何の話かとも思えばその調子で思い出してみればあぁそういうことかとも心当たりだってもある。納得のいく答えだってもその結果としてはまた
何せ特別な能力などは自己評価をするのであれば一切持ち合わせていないために今まで解決の手段を持ち合わせていないだけ。悲しいくらいに異端を忌み嫌うのが生命だ。そしてそれを崇めるまでに進んでくれるとは限らないのが残酷な卑劣な世界である。
「可愛いこの子がどうしてそんな風に言われなければいけないなんていうのか。正気を疑ってしまうのは、ハハッまぁそれこそ言い出してしまえれば楽ということ。現実から目を逸らすのはさせてもらえない。俺だってやっていることは同格以上の常に相手をしないことを努力しているのだから逃げているといわれても仕方ないか」
残念ながらどこまでいっても
「種族として進化をしていない時点で経験の蓄積にしかなっていないんですよ。まぁ一流を遥かに超えてしまった域にいる存在としてはそれが一番怖いともいえるのですが。命がけでの戦いを繰り広げてきた者達はそれぞれの願いのために闘っている。それすら出来なくなってしまえればもうやらない方がいい」
本当に一切他で口を開かずにこれ以上ないことに黙々と食っていたこの少年といえば急に息を吐き始めた。それが何を意味するのかといえば手元にあった魚が全て食道を流れていったということだ。結構な数が並べられていたと思うがその大半をひたすらに食べ続けていたところをみればよっぽどのカロリーを消費していたのだろうと想像できる。
そこから気楽な感じで立ち上がってみればすぐさま後ろにあった樹の横にへと寄りかかることをしていく。彼が巨大な樹が生え続けている、その葉っぱで空を覆われてしまっているのを眺めている様子を観てしまえれば心が穏やかになっていく気がするのはそれこそ気のせいか。
懐からつまようじを出してくるのは何気にどうして持っているんだとも思う。そういう趣味の主であれば納得もする。それだけ何かしらが口腔内に挟まってしまうのがあるのか。苦労しそうな癖であることで。
「なぁ、聞かせてくれよ。何で俺ら二人を助けたんだよ。理由もなく他人を助けるなんてこの状況では信じられるはずもないだろう。だからこそ信じられる理由をくれなければ」
どうしても我慢できずに立ち上がっていけば目の前にいる少年にへと顔を詰めていくことをする
そもそもがこの状況さえも未知であることに常に不安を受けている。誰だって同じであると言われてしまえればお仕舞い。だがそれすら許容が難しいのは人間として精神が未熟な証拠か。それとも老害とでも呼ばれる廃棄物かとも。
「ちょっと待ってくれ。俺らってなんでこっちまで巻き込んでくるんだ。せめてちゃんとした話の流れがあれば何も言わずに進めさせてやるけれども。私は一切とは言わなくともそこまで関係はないだろ」
座りながらも見上げた状態で話しかけてくるこの男はかなり面白いことになっているのだが。青年と呼ぶのには少し年を取っているように思える。もう少しでおじさんとも呼ばれてしまいそうなくらい。
「自分のやっていることを考えれば確かに不安で仕方のないことでしょう。灰色の世の中では倫理すら無視されてしまうのが当然とも。だがそれでも生きていられるだけで幸いジャアないですか。僕は自分をとっくの昔に狂乱の域いて居座ってしまっていると仮定しているから。精神をあちこち、そこでウロウロとしているのが一人くらいいても別に世界に大した影響なんてない。僕に後ろから刃物で突き刺されてしまわないように気を付けてね」
最後のこの言葉を聞いてしまえば深刻な感情となるのは間違いなしか。どこまでも彼の素性が知れない。ならば素直に問いただしてみるのが実は正確なのだろうか。
「お前、いったいどこの誰なんだ」
「あぁただの
「正体があるって自分で言ってるじゃあないかよ」
思わずそう口にしてしまったこの傷だらけの青年はかなり我慢した方だとも思うのだ。なんでいるのか、そういえば彼のことはなんも聞いていないことも思い出すわ。
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