第18話

 ヒトが存在している理由を問いただしていても目にはつかないことだろう。だが兄弟のいる身としては子供の心配というのをして当然というモノだろう。だがそれは目の前にいる存在というのを間近にして意識を管理できるのかということ。ただのそこらにいるおっさんでしかない自分としてはこんな幼い子供を置いていってしまうのは保護者はどうしているのか。保護者なんてどこから数えて比べての事なのかということになるのだが。

 この世界は余りにも異常であるとはよく理解をしてしまう。なんていっても怪物ばかりが跋扈するこの世の中にて生き残っていくなんて難しいこと。だがサバイバルということで挑んでいけばどうとでもなる。過ごしてきた時間を掛けていけば終わりはくるなんてはっきりと言い切りたいものだ。だがそんなのはちっぽけな希望にも成れない霞未満の何かだ。

 人間が突如として絶滅してしまった世の中であるというのなら、その代わりかというように怪人どもが街中を徘徊しているというのであれば結局はその偶然たまたまいるだけの人間なんて舞台装置でしかないのかよとも。

 それを言いだしていったらどうしようもなく止まれないのが自分があるのか。生きている目的すらも見出していくのかとも思ってしまうわけかよ。

「なんでそんなところで泣いているのかはもう聞いてはいかねぇよ。夢すら追いかけていくのはこっちの趣味だからなぁ。これでも勝手に………………」

 そこで後ろから火炎が飛んできていたのにはどっから突っ込みをしたらいいのか難しいところである。その直前にというのであれば一気に回避をしていけばいい。

「後で話をしていこうか。いきなり襲い掛かれてしまえばいくら子供でもそれなりの対応させられてしまうとわかった上での行動か。だというのならそれなりの加減にしておくできだろう。こちらも振り切ってしまうぞ」

 眼光鋭く降ってきた足蹴をどうにか片手で押しとどめていくことに成功する。この子供はやはりどうしようもなく脅威でしか………………で済ませてしまうのはよくなうのだろう。

「なんで生きているのよ。全く以て不可解が過ぎる。すぐにくたばりなさいよ」

「お断りだ。これでもおじさんは全力で生きているというのに何でここでやられてしまう破目になるのか。それこそ愚かでしかないじゃないかよ。おじさん諦めてしまうつもりはないからさぁ。聞かせてくれよ、君がここに来た理由を」

 この女の子の首を掴まえていき、すぐそばにあった壁にへと叩きつけていく。それに驚いた様子か咳き込むその声が聞こえてきていた。そして彼女にへと強い声を吐いて問いただしていく。

 だがそこから首を逸らして腹に蹴りを叩きこんでいくことすらも可能だったと証明されていた。かなり強い力を込めていたはずなのだがどうしてこれだけの力を込めていけるのか不思議なモノだ。

 蹴り飛ばされたその直後に起き上がっていけば彼女のその顔を拝むことに再びの成功をする。それをじっくりと眺めてみればその違和感というのも気づいてしまった。

「そういうことか。何でこれだけ強いのかという理由なんてそれくらいしかないだろうというわけか。よっぽど稀な出来なのだろうが」

 ゆっくりと姿勢を正していけばその額というのを押さえていく。彼女に向けて声をかけた理由というのなんて決して大したことではない。あぁ何をしているのかという理由を聞きたかっただけ。それが心底大事なことであるから。

 あちこち周囲にへと火災を起こしてきている時点で何気にかなりの自暴自棄をしているのでは思っても当然ではないか。普通の小さい女の子は笑いながらも笑顔で火炎をぶん回しているのは異常が過ぎるだがなぁ。

「なんでと聞かれて答える馬鹿は居るわけもないだろうに………………えっ」

 目の前の子供がそんな風にしてどこかを見つめ始めているのが気になってしまうのが………………それが明らかな恐怖体験でもしたらしい様子でもあるのだ。

「いったいなにがあるって………………ハハハハハ、ふざけてんだろ」

 そこにへとあるのが二人の女性というのを無表情でひたすらにアスファルト舗装にへと転がしている野郎くらいのものか。ふざけているというのはこういうことをいうのか。普通の人間に近い精神性であるのならそんな顔をしながらひたすらに他の人間を地面を寝かして進めているのが物騒なだけで済むかよ。

 その女二人というのは満身創痍というやつだろう。抵抗はしたが戦闘にもならずに遊ばれてしまったということか。ただそれだけの結果にしかならなかっただけ。生きているのが不思議なくらいだ。

 彼女らが無事でいるのかと言われてしまえば無事で済むはずもないと言い張ってしまえる。なんでやられてしまっている状態で地面を転がっていられるのか。

(遊ばれているくらいには強かったということか。それはそれでも相当凄いことだとも思うが)

 咄嗟に身体が動いていたらしい。その女二人にへと巨大な拳を叩きこんでいく構えとを取っていた。それの妨害をというよりは割り込みを仕掛けていくこと。高速での移動は自身の躰にもかなりの負担もかかること。

 女性の一人の元にまでどうにかたどり着いた直後にその彼女を掴まえていき、ゴロゴロとアスファルト舗装を転がっていくことをしていく。

 そうすれば当然ながらも反対側にいるもう一方の女性が狙われることになる。それをどうとでも引き留めるというよりは妨害やはり割り込みというのを掛けていくのが術ということ。

 ここで物騒なモノをぶん投げていくのが常套手段ということ。それこそ何を投げていったのか驚き轟のすることだ。今回はストレートに拳が女性にへと叩きこまれてしまうことになったか。

 何気に轟音を響かせていたのがびっくりしてしまった。耳がキーンとしてしまって思わずその耳を両手で塞いでしまう。なんでもうすごい音だったんだもん。

 傍で抱えていた女性だってビクッと震えてしまったのが分かってしまう。これだけ近ければ当然ともいえるのか。

「あぁ弱いニンゲンというのはこれだからと言い張ってやりたいところだったのだがなぁ。追い詰めていけば魂の格というのを見せてくれると思っていたのに。どこまでも弱いニンゲンは弱いままか。足搔いて欲しかったのにこれががっかりものだよ。だからさぁ、片方は終わらせた………………と言わせろよ」

 この野郎が女性にへと振り下ろしていったのは火炎の拳であった。それを用意するのはかなりのエネルギーとそれに見合うだけの制御技術が要求されることか。その結果として起こったのは付随した轟音とメインとして扱っている爆発ということ。

 その爆発が止んでしまって出てくるのは女性が焼き焦げてしまった姿か。意外と人間というのは頑丈なのだなぁと感心してしまうことだろう。それがおまけで恐らくは一般人だとも呼べる方を犠牲にしてしまったという事実が僕には重く突き刺さる。

 犠牲となった彼女を痛む気持ちはこうして現在抱えている女性の方がよっぽど重たく感じている事だろう。

「それが目の前にある事象をはっきりと認識していればだ」

 どうせあの野郎は既に気づいていたはずだ。だからこそ言葉を区切った理由というのも示してくれたわけだ。それは初めから明確にそこにあった。女性にへと拳を叩きつけられてしまったのは嘘ではない。あぁそうだ女性という表現をするしかないのは名前を知らないから。そして女性なんて呼ばれるのに年齢なんて関係はないでしょうし。

「いったいわねぇ。子供を大切に腫物のように扱いましょうとは教えられなかったわけなのっ!」

「それを言うなら割れ物ではないのか。子供を腫物なんて基本的にはいい思い出にはならないだろうに。まぁ割れ物として扱われるのもそれはそれとして正しくはないんじゃないですか」

「いや、どっちでもないでしょう。なんなんですかあなたたちは」

 そう言ってくれるのが嬉しいという感想があがってくるわけか。それこそ殴られた反応があることに安心を憶えてそれに思わず答えてしまったら抱えている女性の方からも声が上がってきたので余裕を取り戻してきたのかとこれでもまた安心を憶える。

「現金かよ」

「なんの話ですか」

「いいやこっちの話だ。それよりもしばらくは体力の回復にへと専念をしていた方がいい。油断をしていたら一瞬で刈られてしまうぞ」

 身構えてしまうのも当然か。一応の警告をしていけばしっかりとこちらに掴まってくれたのかとも………………思ったのだがその直後にその場に投げられてしまった。

「なんでぇ」

「下心を出して女の子に近づいた罰ですよ。そうやって声を出せるのであれば元気な証拠ですね」

 こんな風に遊んでいる二人がいるのを眺めていたら楽しそうだなぁとも思ってしまう類煮レニであった。玲愛れあがああまで男と二人で遊んでいるのを見るのは滅多なことではない。それであれば喜んでいいことなのだろう。

 それはそれとして心配をしてしまうことを目の前でやられてしまった訳か。何故かはわからないが自分を庇ってくれた誰かを目の前にしてしまえば他のことなど些細な風景にしかならない。

「なんですかあなたは」

「あぁ、貴女も名前を聞いてきますか。誰かが名前を欲していた覚えがありますが記憶違いかもしれません。でも弾除けの人形として投げられたのであればそれ以上の怒りはありますよ」

 そして彼女は自身にへと拳を当ててきた誰かにへとその恨みの視線を突き付けていく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る