第24話 ゼロが弟子を取る!?

「ふぁー暇だな」


 神久の件が完全に片付いて早一週間俺は凄く暇だ。


 ホワイトギルドとのパートナーギルド契約も先日完了したのでここ二日間は何もする事が無い。

 最近は色々と忙しかった訳だが俺はやっぱり暇な時間が少しある位が丁度良いな。まぁ、今は暇すぎるだけどね。


 そんな訳で平和な日常が戻って来たのだが……


「雪先輩も食べますか?」

「そうね頂こうかしら」

「はい!どうぞ!美味しいですよ」


 穂乃花が雪先輩に対してそう言ってカステラを嬉しそうに分けている。

 穂乃花は雪先輩の事を大好きな先輩と言っていたから凄く微笑ましい光景ではあるんだけど……

 

 一応ここは俺の部屋って表現はちょっと違うが俺専用に作って貰った部屋なんだけど……

 何で二人は昨日もそうだったが普通にいるんだ?

 いや、そこは正直別に良いんだけど余りにも自然過ぎてびっくりなんだが?

 母さんと父さんは二人が来ると普通にこの部屋に通すしな……

 

 てか穂乃花はまだしも雪先輩は光龍ギルドですらないぞ?

 まぁ、パートナーギルド契約を結んでるから居てもおかしく無いんだけどね。

 そして今の構図はこうなってる。

 母さんにべた惚れしている雪先輩がいて、その雪先輩にべた惚れしている穂乃花だ。


 雪先輩も雪先輩で穂乃花にたいして甘いしな……

 まぁ、前から知り合いだったってのもあるだろうけどな。


「二人とも?一応ここは俺の部屋みたいなところなんだけど……」

「「しってるよ(しってるわよ)?」」


 俺がそう言うと二人は息ぴったりにそう言った。


「知ってたんだね……」

「もしかしたら迷惑だった?それだったら直ぐに出ていくけど……」

「そうね……私もちょっと無神経だったかしら……」


 二人は少しばつが悪そうにそう言った。

 いや……一応確認しただけで迷惑とかではないから良いんだけどな。

 てかそんな悲しそうな顔されたら断れないって……

 雪先輩ってあんなに表情豊かじゃなかったんだけどな。

 まぁ、それだけ心に余裕が出来たって事か。


「いや、迷惑では無いから良いですよ別に」

「そう。ありがとう龍星」

「ありがとうね。それでさ龍星?龍星は次何の配信するの?近いうちにするって言ってたけどさ」

「んー、正直全く考えてないんだよな……」


 前と同じく食材を紹介するのも良いんだが前回のダンジョン配信で市場がバグったんだよな……

 そんな訳でもし同じような配信をするんだったら最低でも半年開けてからしろって注意されてるから無理なんだよ。

 

「そう言えば龍星ってエンペラードラゴンを倒したんだよね?」

「結構前だけどな」

「それって龍星一人で倒したんだよね?勿論言いたく無ければ言わなくても良いよ?」


 まぁ、この二人だったら別に隠す必要もないよな? 

 言いふらす様な人達じゃないのは良く知ってるし。

 ていうか二人は薄々気付いていそうだし問題はなさそうだ。


「まぁ、そうだな。騒がれそうで隠してるけどね」

「やっぱりそうだよね。何となくそうじゃないかなって思ってたよ」

「そうね。それは隠して置いて正解ね。そんな事が表に出たら世界のギルドが動き出す事間違いないしね」

「やっぱりそうなりますか?」

 

 俺がそう聞くと雪先輩はきっぱりと答えた。


「なるわよ」

「まぁ、エンペラードラゴンとか私からしたらどの位強いとか想像もつかないけど今まで討伐記録が二回だからね……」

「そうだよな……これからも隠しておくよ……」

「んーそれじゃあ出来るだけ深い階層の配信で良いんじゃないって言おうとしたけど無理そうだね」

「まぁ、出来るだけじゃなくてそこそこだったら良さそうだけどな……でもそれはあまり気が進まないんだよな」


 だって俺自身がつまらないからだ。

 食材の為でもなく目的すらない状態で弱いモンスターを狩っても全く楽しくない。

 

「龍星って正直に言って世界一強いって言っても過言じゃないわよね?」

「そうですね。龍星は間違いなくそうだと思いますよ」


 俺は世界の冒険者とかは分からないがそうなのかな?


「それだったら龍星が弟子でも取ってみたら?」

「「弟子ですか?」」

「そうよ。それだったら自分の力も隠せるし何より面白そうじゃない?絶対に注目されるわよ」

「確かに……ゼロの弟子ってなったら話題性も凄そうですね」


 弟子なんて考えた事なかったな……


「でも俺は誰かに教えた事なんて無いですよ?」

「それはこれから考えれば良いと思うわよ?大体龍星ってモンスターに関しては誰よりも詳しいんでしょ?」

「まぁ、そうですね。それに関しては自信がありますね」

「それだった大丈夫よ。弱点だったりモンスターに対する立ち回りのアドバイスだけでもかなり為になるからね」

「まぁ、確かにそのくらいだったら出来そうですね……」

「でしょ?それから少しずつ慣れて行ってから細かい動きを教えれば良いと思うわよ。仮にピンチになっても流星が居れば万が一も無いと思うしね」

「それ良いですね!!!それだったら視聴者の人たちも為になるじゃないですか!!!」


 確かにそれは悪くないかもな……

 楽しそうだし全然アリな気がする。

 俺が戦ってる所が見たいって人が多かったらその時はその時で少ない頻度で深層に潜る配信をすれば良いしな。

 まぁ、俺が戦ってても意味わかんないってコメントばっかりだったから弟子との配信の方が良いって人の方が全然多そうだ。


「それ結構いいかもですね……でも弟子ってどうするんですか?俺に知り合いはいませんよ?」

「そうね……どうせだったら弟子でパーティーが組めるように三人くらいが良いわね……ていうか私と穂乃花と後一人ね……」

「私も良いんですか!?」

「え?二人が?」

「ここまで言ったけど正直に言うわね……私が龍星に強くして貰いたいの……だから弟子って提案をしてみたんだけど……穂乃花はどう?」

「私もそれが良いんだったら凄く嬉しいです!!!」


 意外な申し出だけど実際知らない人より全然良いよな。

 二人の事は信頼してるし、何より雪先輩からのお願いだしな。


「それじゃあ二人はそうしますか」

「本当に良いの?」

「はい良いですよ。二人の事は信頼してますし二人が強くなってくれたら嬉しいですからね」

「ありがとう。龍星」

「やったー雪先輩と一緒に龍星の弟子だー!」


 二人は笑顔でそう言った。

 やっぱり頼られるって嬉しいよな。


「でも後一人はどうするんですか?」

「そうね……私達とパーティーを組むって考えると同じ位の人ってなるけど、DランクかEランク冒険者位がちょうどいいんじゃないかしら?」

「私達はCランクですけでD、Eランクなんですか?」

「私達って一応元々強いとは言われてるでしょ?そんな人だけだと龍星の凄さが伝わらないかなって思ってね」

「確かにそれはありますね……」

「それならDランクの人にしますか?」

「そうね……Dランク又はEランクでも可って感じかしらね?パーティーを組むのは後々でも良いしその方が凄さはあるからね」

「でもどうやって探すんですか?」

「とりあえず条件として、Dになりたて又はEランク冒険者、ギルドはホワイトギルドの人でも悪くはないけどそれだと贔屓が凄いって言われそうだから未所属の人、人柄が良い人保証が取れた人、それから女子限定って所かな」

「女子限定は何故ですか?」

「それは当然よ……私と穂乃花ちゃんといずれパーティーを組む事を目標にしてやるのよ?それが男子だとどうなると思う?」


 雪先輩の言葉に穂乃花はうんうんと頷いている。

 そう言われると確かにそうだな……二人はかなりの美少女な訳だから男性は良く無いな。


「それなら女子で行きましょうか……でもその場合二人のガチ恋勢って言われてる人たちの声が大きくなりそうですね。大丈夫ですか?」

「確かにそうね……」

「私と雪先輩の時も言われてたもんね……」

「まぁ、私は全くと言って良いほど気にしないけど二人は大丈夫?」

「私も問題はありません。応援してくれるのはありがたい事ですが私は女子だからじゃなくて冒険者として見られたいので!」

「俺はどうでも良いですね。ちょっとめんどくさくは思いますが二人が良いんだったらって感じですかね」


 んー、二人のメンタルが強いのは元々分かって居たけどここに入る一人って相当プレッシャーヤバくないか?

 俺が他の冒険者について分からなすぎるから誰にするかは二人に決めて貰うつもりだが大丈夫かな?


「えっと、残りの一人は二人に一任して良いですか?」

「まぁ、龍星は他の人全く知らないだろから仕方ないね」

「分かったわ。それじゃあ募集すると変な人もいっぱいきそうだから私達で配信を見て良さそうな子を探しましょうか」

「そうですね。人を見る目には自信があるので頑張ります!!!」

「それじゃあ後一人が決まるまでは配信はお預けになるけど大丈夫よね?」

「まぁ、遅くなりすぎなければって所ですかね?」

「それじゃそれで行きましょう。龍星は私達三人に定期的に教えてくれれば大丈夫だからね?ずっと付きっ切りって訳では勿論無いから。私達は龍星がいない時でもダンジョンに潜るしそんな感じで大丈夫?」

「はい。最近暇だったし何より面白そうですしね。何の問題もありませんよ」


 その条件なら忙しくなる事もなさそうだし丁度良さそうだな。

 やってみないと実際にどうなるか分からないがちょっと楽しみだ。

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