第15話 瀬戸宮先輩の話

 神久についての事を瀬戸宮先輩に聞こうとした俺は早速連絡を取る事にした。


『えっとこんにちは、瀬戸宮先輩。あの紙切れに書いてあった事について聞きたくて連絡をさせてもらいました』


 俺がそんな感じでメッセージを送ると速攻で既読になり返信が来た。


『分かりました。では早速お伝えしても大丈夫でしょうか?』

『はい。後瀬戸宮先輩は先輩なんですからそんなにかしこまらなくても大丈夫ですからね』

『いえ。私はこれがデフォルトですので』

『そうですか。分かりました』


 ちょっと堅苦しいが瀬戸宮先輩がそう言うんだったら仕方ないか。


『取り敢えず最初に私と神久和樹について話しても良いでしょうか?』

『勿論大丈夫ですよ』

『分かりました。結論から言うと私と神久は幼馴染で神久は私を自分の物だと思ってるんですよ……例えば私の行動を管理しようとしたり、言う事を聞かないと両親が困る事になるぞとか……その、男女の関係を強要してこようとしたりとかですね。勿論最後のは未遂で終わってますけどね』

『それは一体なんでそうなってるんですか?』

『私が幼いころに両親が神久家に騙されて契約を結んだことがあってそのせいで私の家は神久家に逆らえない状態なんですよね……』

『なる程……』


 マジか……そんな事があったのか。


『それで両親が何とか打開しようとギルドをた立ち上げたんですけど、いざ自立出来たと思ったら神久に邪魔されて、有望なメンバーだけがが脅されたり引き抜かれたりして全然成長出来ないでいたんです』


 まぁ、やはり予想通りだな。

 あの神久和樹だったらやりそうだし、まぁ親がやってるのかも知れないけど親も神久和樹も同じような人なのだろう。


『そんな訳で瀬戸宮家はほぼ神久家の奴隷みたいな立ち位置なんですよ。』

『それで俺に協力するって事なんですね?』


 そりゃあんな目にもなるよな。

 俺が瀬戸宮先輩の立場だとしたら怒りが収まらないと思うしな。

 この感じだと俺が思っていた以上位に恨みが深そうだな。


『そういう事ですね』

『えっとそれじゃあ、瀬戸宮先輩は神久が再起不能になって欲しいって事なんですよね』

『まぁ、そういう事になりますね』


 やっぱりそうだよな。騙されたとはいえ契約を結んでしまってるんだからそれを無効化出来る位再起不能にして解消させる必要があるんだろう。

 正直に言うと両親に相談をする必要はあるが助けてあげたい気持ちは大きい。

 光龍ギルドにとっても良い情報になりそうだしな。


『でも、それだったら潰せるくらいの証拠があるって事なんでしょうか?』

『そうです。私はここ数年神久和樹の身近にいた事を活かして証拠を集め続けたの、同じ様な立場の協力者も神久ギルドにも数人いますしね』

『マジですか……』

『取り敢えず画像で送りますね……』


 そうして送られて来た物に俺は驚愕した。


 神久家は自分たちが成り上がる為に様々な非道な事をしていたみたいだ。

 ライバル社を潰す為に相手の娘を攫ったり、薬品や食品を裏で独自のルートですり替えてライバル社の消費者を死なせた数も少なくないと言う過去すらある。

 それに契約を取る為に社員の女の子に無理矢理夜をともにさせて、それによって自殺した女性もいるとの事だ。


 神久ギルドに関してはホワイトギルドの足を引っ張る為に引き抜く時は家族を理由に脅したりもしていたらしい。

 しかも脅したにも関わらず引き抜いたが言う事を聞かなかった人は家族ごと上手く処分していたという過去もあると……

 それにこれは可能性が高いって訳で確固たる証拠はまだ掴めてはいないけどダンジョン犯罪もやっていると瀬戸宮先輩は確信しているみたいだ。


 ダンジョン犯罪とはダンジョンに潜って他冒険者を襲って装備やドロップ品を奪ったりする事だ。

 過去の大きな事件ではダンジョンモンスターと冒険者が死闘の末ギリギリ冒険者が勝った瞬間に漁夫の利で冒険者を殺してボスドロップを奪った人もいたらしい。

 犯罪を犯した冒険者はCランクでボスを倒した冒険者はAランク冒険者で実力差はかなりあるがボスとの戦闘でボロボロで対応出来なかったとの事だった。


 まぁ、聞くところによると私怨でただただ殺害する事もあるらしいがダンジョン犯罪は少なからず起こり続けている。


『これは流石にヤバいですね……』

『そうなのよ。だから私は私の家の事を置いておいたとしても絶対に神久を潰したいの……』


 先輩の言葉は文字だけど凄い恨みがあるのが伝わって来た。

 正直俺もこれを見たら流石にそれ相応の対処をしないといけないと思っている。

 てか普通に許せる事じゃないしな。瀬戸宮先輩の事も解放してあげたいし……


『あの?瀬戸宮先輩って明日時間ありますか?学校も休みですし、出来れば俺の両親も交えて直接あって話したいんですけど』

『そうですね。私もその方が助かりますね。』

『分かりました。それではその感じで両親に伝えておきますね』

『はい……あとごめんなさいね……』

『え?何がですか?』

『だってこれじゃあ私が神久を潰したいがために光龍ギルドの力を借りるみたいなものですもの……どうしても私達だけじゃ太刀打ちできないですし、もし私達だけで対処しようとすると絶対にもみ消されるのは目に見えてるので……ホワイトギルドは神久ギルドと近いせいで頼れる他ギルドもいませんし……正直に言ったら今回神久和樹が神道君に目を付けてラッキーっておもちゃったんですよ……これは利用できるって……』


 瀬戸宮先輩はそう言うが俺としては全然そんな事は気にしなくて良いと思う。

 大体こっちも情報があって助かる訳だし、そうじゃなくてもここまで悪逆非道な神久は滅ぶべきだと思うしね。

 絶対に俺の両親も俺と同じ事をいうだろうし。

 それに穂乃花も言っていたが瀬戸宮先輩は間違いなく良い人なんだろうから、神久和樹と関わって居たら彼女の人生が台無しになるだろうからな。


『えっと。大丈夫です。俺も助かりますし神久の存在は俺自身も気に食わないですしね』

『そうですか……ありがとうございます』

『あ!でもさ、今のホワイトギルドって経営が上手く行ってないから神久ギルドに支援して貰ってるんって聞いたんですが大丈夫なんですか?』


 俺はふとそうれが気になったので聞いてみた。


『それは大丈夫ですよ。確かに最初は大変だと思いますけど、神久ギルドの妨害がなくなればいくらでもやりようはありますからね』

『そうなんですね。分かりました、それじゃあ改めて明日よろしくお願いします』

『はい。よろしくお願いします』


 そうして俺と瀬戸宮先輩はメッセージでのやり取りを終えた。


「はぁ、思った以上に大きな話になって来たな」


 まさか神久家があそこまで非道な行いをしているなんてな……神久和樹がさっき聞いた件にどの位関わってるのかは分からないけど、どちにしろ放ってはおきたくはないよな。

 まぁ、ダンジョン犯罪までなると光龍ギルドが被害を受けないとも限らないから尚更父さんと母さんがやる気になるだろうな。

 てか瀬戸宮先輩の持ってる証拠があれば父さんと母さんならあっという間に解決しちゃいそうだな。

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