魂の契約から始まる、異世界×バディ構造の妙
- ★★★ Excellent!!!
最初は典型的な「悪魔と騎士の異世界ファンタジー」かと思いきや、
読み進めるほどに物語の深みと構造の巧妙さが際立っていきます。
やさぐれ気味の騎士・ライアンと、どこか不器用で純真な悪魔・リリア。
二人の関係は、契約によって繋がるだけでなく、命を預け合う“魂のバディもの”として
非常に緊張感のある共存構造になっていて、読んでいて飽きさせません。
そして何より──
「契約したのに、魂が取れない」
というラストの不履行落ちは衝撃的で、きれいに第一章を締めながら、
同時に物語を“ここから先”へ強く引っ張ってくれます。
構造と描写、キャラの温度差、その全てが見事に調和した読み応えのある一作。
リリアの可愛さに癒されながら、ライアンの孤独と使命に心を寄せて、
この“未完の契約”の行方を、ぜひ追いかけてほしいです。