第13話
「とにかく、気を抜かないこと。当日は西乃杜の学生だけでなく、一般の人が沢山出入りしているんだろうし、桐堂や榊とは関係ない単なるナンパ目的の男だっているかもしれない」
「あははっ、そのへんは心配ないですよ~。私、生まれてこの方、ナンパなんてされた事ないですもん」
「う~ん?……十和田青年との出会いも、ある意味ナンパだと思うけど?」
窘めるような眼差しで指摘され、心臓が跳ねる。
「……気をつけます……」
「うむっ、よろしい」
肩をすぼめた私の前で、俊彦おじさんは優しく微笑んだ。
いつもどおりの、極上の微笑み。
俊彦おじさんはいつも……こうして、私を窘める時も甘い。
修哉おじさんは、俊彦おじさんのこういう甘さを見て、俊彦おじさんが私を恋愛の対象にしていると思ったのかな……?
でも……この甘さは……無条件で親戚の子供を可愛がるソレとしか、私には思えないんだけど……。
親しくなる前はセクハラとしか思えなかった俊彦おじさんのスキンシップも、今となっては、愛犬を溺愛するのと同レベルな気がするから、全然いかがわしく感じない。
逆に、最近の修哉おじさんの、私への触れ方は……【婚約者ごっこ】が前提にあるにしても……往々にして挑発的だし、動揺させられることも多いし……。
どちらかと言えば、最近の修哉おじさんの私への態度の方がよほど………。
………いや。
それは、私の主観だからか?
私が修哉おじさんを男の人として好きだから、そういう風に受け止めたがっているだけ……?
私が俊彦おじさんをそういう対象で見れば、また違って感じられるのか……?
男の人が客観的に見れば……俊彦おじさんの愛情は、男女関係のそれと同じ?
「………莉奈?どうしたの?難しい顔をして」
「え、あっ、いえっ、ちょっと考え事を……」
「何か心配?」
深刻そうな表情で訊ねられて、私は慌てて首を振った。
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