第2話
切ろうと思った矢先に聞こえたその声は、明らかに含み笑いで……
こ、この野郎っ!!
「べ、別に寂しくないし!!どーぞご勝手に!!」
'来いよ'
今度こそ切ってやる!!と携帯を耳から離したのに、何故かはっきりと聞こえた智樹の声。
そこで携帯を切らなかったのは、絶対あれ。
あれだよ、あれ。
惚れた弱みってやつ…。
'会いてぇ'
「……」
どんだけあたしの心を揺さぶるつもりですか。
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