滅多に起きない出来事だからこそ、人はそれを奇跡と呼びます。
例えそれに科学的な理屈がつけられたとしても。
きっと「流れ星に願いを唱えれば叶う」というロマンティックな伝承も、昔起こった途方もない偶然の産物の末に出来上がったものなのではないかと、この物語を読んだ後には思わずにはいられません。
何のかんのと老人は仰っておりますが、モグはしっかりと愛情を受け取っていることに感謝していたのでしょう。
そんなモグの思いが、夜空を駆け、電波に乗り、老人の元まで届いたのだと思います。
ストーリーの内容もさることながら、言葉の選び方や話の組み立て方にも、作者様の才が光ります。
書きぶりから老人のリアリティ溢れる解像度の高い人物像が浮かび上がってきましたし、情景の移ろいも見事に、まるで映画のように脳内再生されていきます。
そして、なんといっても冒頭のラジオ。
この演出がなんとも憎いです。
とても心温まる、読了後に大きな満足感が得られる作品でした。
是非ともこの満足感を、深く感じ入ってほしいですね。