第9話 大戦の始まり
嗚呼……そう云えば詳しく説明して置かなければいけない。この『テルース王国』の王アザーンとサナアそれにザリお母さんはどこで生活しているのか?
アザーンはライオン人間のように見えるが、実は……源五郎丸博士が作ったロボットだ。エネルギー源は電気(バッテリー)で、制御(自分の思ったとおりに動くこと)はAI(人工知能)で動く優秀で感情のあるロボットだ。
そして…アザーンの生みの親である源五郎丸博士は、当然のことながら 外国との交渉や文化交流、情報分析や保護活動を行う公務員であり、国家未来ロボット技術研究センター所長なので、外交官<外務省専門職>である。
そして…アザーン少年も動物保護区を守る重要な役目を担っている王様なので、例えロボットといえど、法律が制定されて感情を持つロボットに対して、人間と同等に暮らす権利が与えられるようになったので、源五郎丸博士と同等の外交官相当の地位が与えられた。
それなので…王様の権限でサナアは王国の首長に任命され、ザリは料理長に任命されていた。
そして…アザーンの声掛けによってサナアは14歳なので、学校へ通学しながら忍術に磨きをかけ忍者となりアザーンを支えている。
それではどのような生活ぶりなのか?
アザーンは外交官扱いなので『テルース王国』の中に、ケニア独特のマサイ族が暮らす竪穴式住居のような丸い形だが、マサイ族独特の牛フンと草をねりかためて作ったのとは違って2階建ての住居で、鉄筋コンクリート作りのお洒落な家に住んでいる。そして…サナアたちは別棟にある職員住宅に住んでいる。
★☆
「王様大変だ!川で生活している仲間だけが襲われていると思っていたが、最近は百獣の王ライオンまでが次から次に襲われていますぜ!」
「最近ワニやカバが襲われる事件が多発していたが、他にも大勢の陸の動物が被害に遭っているらしいな。何とかしないと……」アザーンはこの一大事に困り果てている。
「本当に何とかしないと……それよりも……犯人は一体誰なのよ?全く見えてこないのよね……」側にいたサナアが言った。
すると今度はチーターとヌーが慌ててアザーンの元に飛んできて言った。
「足の速い我々の仲間でも逃げ切れず、次から次に巨大な恐竜に襲われ殺されています。助けてください!」
「えええええぇぇえええええっ!やはり恐竜だったのか!これは何とかしなくては……」
★☆
「ピュ―――――ッ!ピュ―――――ッ!ピュ―――――ッ!」
壮大な緑あふれるサバンナの断崖絶壁に立ち指笛を吹き仲間を集めている王アザーン。
すると一斉にアフリカの広大なサバンナに先ずはライオン、ハイエナ、チーター、ヒョウ、カバ、ワニそして…象にキリン、シマウマ、ヌー、ウサギ、ミーアキャット他色んな動物たちが集まってきた。
「皆の者よく聞け!この『テルース王国』に最大の危機が訪れた。18cmの巨大な卵がこの『テルース王国』で見つかっていたが、ダチョウの卵だと思われていたのだが、ザヒル博士が唱えていた説やはり恐竜スピノサウルスの卵だったらしい。
現にチーターから聞いた話では、巨大な高さ18mもある恐竜の頭部は約2mもあり、まるでワニのような形をしており、大きな突起の背の部分はまるで船の帆のように見え、これは最大で高さが1.6mにもなる。骨の列を皮膚と筋肉が覆う事によって形成されていると言っていたが、これはスピノサウルスの最大の特徴である。前足もティラノサウルスなどと比べてるとしっかりとしていて、水中で見かけることが多いらしい。そのことも一致していた。そして…性格は凶暴そのもので普通は水中の生物を狙っていたが、その中にはワニも含まれており、さらには陸上に上がって恐竜なども捕食していたと言うが、まさにそれで、この『テルース王国』の猛獣達も餌食になってしまった。これはどう考えてもわれらの仲間の仕業とは思えない。捕食のスピードが異常に早い。これは正しく恐竜スピノサウルスの仕業。皆の者皆で協力してスピノサウルスを退治しようではないか!」
「おいら達は黙っちゃいられない!これではあっと言う間に『テルース王国』の動物は絶滅してしまう。何とかスピノサウルスを退治しよう。エイエイオー!」
ライオンたちが一斉にエイエイオー!と勇ましい声を上げ拳を挙げた。
そして…「敵陣への突撃前にエイエイオー!」と王アザーンが強く拳を振りかざして勇ましく叫んだ。
すると他のチーター、ヒョウ、カバ、ワニそして…象にキリン、シマウマ、ヌー、ウサギ、ミーアキャット他色んな動物たちもエイエイオー!と言いながら拳を挙げた。
次に百獣の王ライオンが「ヨーシ皆で野蛮な恐竜を撃退しようエイエイオー!」と叫んだ。
「エイエイオー!」
「エイエイオー!」
「エイエイオー!」
「エイエイオー!」
「エイエイオー!」
「エイエイオー!」
「エイエイオー!」
「エイエイオー!」
この『テルース王国』の動物たちが一堂に会して拳を振りかざして戦いを誓った。その声はどこまでも響き渡っていた。
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