第十五回
「やったーっ!」
「くっそー、負けたぁ!」
やがて
「しょうがないよー。ボスの動き、めっちゃ速かったし!タンク役いないときついんだよね! 最初から
「……ふん?」
「誰が、毎回瀕死になったあなたを助けてあげたと思ってるの?」
「あっ! ごめんなさいっ!」
慌てて
「さて、ようやく本題に入ろっか!」
「い、いや……僕なんて、ちょっとかじってる程度で……」
「はいっ!質問!」
「えっ、
「彼って、本当に男の子なの?」
「……生物学的には、そうだけど……」僕は居心地悪く答える。
「こんなに女の子っぽい男子、初めて見た!」
「しかも
「すっごーい!」
顔が真っ赤になって、僕はもう恥ずかしくてどうしようもなかった。そんな僕を助けるように、
「
「あ、うん……」僕は気を取り直して説明する。
「
「なるほど……」
他にもいろいろ聞かれたけど、僕もよくわからないことが多くて。ゲーム関連の質問もあった。
「強くなるにはどうすればいいの?」
「やっぱり武功をもっと覚えること?」
「方向性とかある?」
「えっとね……」僕はゲームの説明書を開いた。「
「たとえば?」
「
「案内してもらえば入れるわ。」
「そうだ!
「あとで連れて行ってあげる。」
「ほんと?ありがと!」
「それに、金や火の武功も学べる。火は土を生み、土は金を生む。」
「聞いてよ聞いてよ!青楼のクエストで手に入る音系武功、なんと金属性なんだよ!私、全然習得できないんだよね!」
言いながら
「くっ…殺せ!!」
……なんて叫んでいた。ほんと、仲いいなぁ。
――とはいえ。現実時間で一時間ちょっと経って、ようやくみんな満足したみたいで。帰る前に連絡先を交換することになった。
パーティに誘われたけど、僕は断った。しばらくは一人で遊びたいし、そのうち【奇幻秘境】に戻るかもしれない。そう思って。
別れ際、
「あなた……あれ、
背筋がぞくりと冷えた。僕はただ呆然と、彼女たちの後ろ姿を見送るしかなかった。
*
「ね、可愛いでしょ?」
「ふふっ。
「だって、可愛いものは好きに決まってるじゃん!」
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