第4話 お手伝いサキュバス
サキュバスが自分から勝手に押しかけ性奴隷になった翌日。
朝っぱらから布団に潜り込んで、自慢のムスコをチューチューやってたサキュバスに2,3発ほど適当にぶち込んでやった後、俺は仕事に向かっていた。
「朝からすごかった、おにーさん♡」
などと言いつつ内またをスリスリさせながら、なぜかサキュバスもついてきていた。
仕事に行くと告げたところ、「わたしもおにーさんのお仕事手伝う!」と、張り切ってついてきてしまったのである。
サキュバスは一応、今では人間の有効種族になったとはいえ、娼館街の外では種族的な差別の目を向けられることも少なくない。
それを懸念して最初は俺も彼女がついてくるのに反対したのだが、サキュバスは「え、そんなの平気だし!」と言って聞かなかったため、せめてもの対策としてフード付きの俺の服を彼女には今、貸し与えている。
これで、サキュバスとして特徴的な耳やら角やら、あとは尻尾なんかもまとめて覆い隠せるだろう。
「……うへへ、彼シャツ彼シャツ……♡ はぅ、おにーさんのにおいしゅごい……濡れりゅ……」
……だらしない緩み切った顔面までは隠せそうにはないが。
「ところで、おにーさんのお仕事ってなんなの?」
「冒険者だ」
「へぇー!? 魔物とかぶっ倒すアレだよね!」
「それはだいぶ昔の話だな。最近の冒険者はなんというか、あれだ、日雇い派遣みたいな感じだな」
冒険者、という職業は今と昔では随分と様変わりしている。
昔の冒険者というやつは、
だが、人類の文明の発達や、魔物と人間の土地的なすみ分けもかなり確立された今となっては、そういった探索や討伐の依頼は大きく減少し、代わりに薬草の採取や城壁等の修繕工事の手伝い、街の各種イベントの作業員などといった依頼の割合が大きくなっていった。
もちろん迷宮探索や魔物討伐といった依頼もないではないが、リスクの大きい仕事でもあるため、受けられるのはよほど腕に自信のある冒険者か、あるいは身の程を知らない自殺志願者のどちらかだ。俺? 俺は当然、身の程を痛いぐらいに知り尽くしている。
査定でどれだけ良い評価を得られたところで、死んだら評価もクソもない。生きて戻って飯を食う。余ったお金でたまに女を買う。それが俺の生活だ。
ってことを説明すると、サキュバスは「ふーん」と、ちょっと残念そうな顔になり、
「なんだろ、冒険者って、なんか思ってたより地味……」
「はっきり言うなよ。悲しくなるだろ。俺が」
分かっちゃいたが、人に言われると胸にくるものがちょっとある。
だって仕方ないじゃん……冒険者って、なるのに資格とかいらないから……。
「大丈夫? おっぱい吸う?」
俺が肩を落として落ち込んでいたところ、サキュバスが心配をしてか、そんなことを言ってきた。
服の上からも分かる膨らみを、手で下から支えるかのようにして俺に差し出してくる。
そんな彼女の額を、指で軽くぺしんと弾いた。
「あいたっ!? な、なんでぇ?」
「街中でそんなことすんな、バカモン。変態でもあるまいし」
「でも先輩のサキュバスとかは、みんなこうやって男の人慰めてたよ?」
「それは娼館街の中だけで通用する文化でな……? 人間の街では、街中でおっぱい差し出してくるやつとか普通にヤバめの変態扱いだ」
あとそれ多分オプション料金取ってるやつだぞ。
ともあれ、娼館街の外の常識ってやつを教えてやると、サキュバスは少し不服そうな顔つきながらも納得してくれたらしい。
「ちぇっ。せっかくおにーさんのこと慰めたげようとしたのに……」
「それは気持ちだけ受け取っておくよ」
「ほんとっ!? えへっ、愛が通じたぁ♡」
適当にあしらうと、サキュバスがふにゃっと表情を崩してだらけた顔つきになる。
そんな能天気な彼女の姿を見ていると、俺も落ち込んでいたのがバカバカしい気持ちになってきた。ま、元々一人で自由にやれる仕事だったしな。たとえ地味でも、気に入ってる仕事ではあるのだ。
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