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「恭弥?」
「あぁごめん! ちょっと零のこと思い出してて」
「……はぁ。恭弥って 本当、零のこと好きだよなぁ? まぁ? その所もお前らしくて可愛いけど? 色んな意味で。まぁ? そんなお前だ……」
「途中でやめるなぁ! ってか? かわいいってなんだよ!」
「えっ? そのまま意味だけど? ってか? そんなことより?」
智樹は、話題を変える様に、恭弥の右手の薬指に光るシルバーの指輪を指差す。
智樹が知る限り、恭弥は、アクセサリーとかに興味がなかったはず。
それなのに、そんな恭弥の右手の薬指に、何故か指輪が嵌まっている。
智樹から良く見えないが、若干指輪の一部が欠けている
※智樹は知らないが、欠けている部分は、弾痕のあと)
「あぁ……コレ? 誰からだと思う?」
恭弥は、指輪を智樹に見せながら、誰から貰ったと逆に智樹に問いかける。
「はぁ? 普通に彼女から貰ったんだろう? お前、前に彼女いるって言ってだろう?」
「ふふっ」
智樹の答えに、何故か笑い出す恭弥。
「なんだよ! 気持ちわる!」
「ごめんごめん。ってか? 俺、お前に、彼女とか、そんなこと言ったことねぇけど。それに俺? いままで誰ともつきあったことねぇけど」
「えっ? マジで? じゃあ? その指輪……」
いったい誰から?
智樹は、疑惑の目を恭弥に向ける。
「零から貰ったんだよ! 誕生日にプレゼントに」
「えっ? ええええええ」
恭弥からの突然のカミングアウトに、驚く智樹。
「そんなに驚くことかよ! 零だって、友達に誕生日プレゼントぐらい渡すだろう? ってか? お前だって零から貰った事あるだろう?」
「そりゃあ? 貰ったことはあるけど。でも……」
自分が、昔、零から貰ったのは、当時好きだったアニメ(なんのアニメだったかは覚えてないけど)の主人公の……多分ぬいぐるみ。
けど、恭弥が、零から貰ったのは、そんな可愛いものではなく指輪ではなく、明らかに、ちゃんとした所で作って貰った本格的な指輪。
(ん? あいつが、もうこの世にいないから、直接真意を確かめることはできないけど、まさかあいつ、恭弥のこと……)
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