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_拝啓 音風幸也様_
幸也? お前がこの手紙……いやぁ? この遺言書を読んでいるってことは、俺は、もう、この世にいないか? もしくは、それに近い状態? それとも刑務所?
まぁ? そのどれかだとしても、幸也? お前の傍には居られないなぁ?
だって、どんな理由であれ、俺は、所長を……他人の命を奪おうとした。
大切な人を命護る為に。
幸也。俺は、犯罪者だ。
それも、ただの犯罪者でない。
それどこか、今日まで、数々の悪事に手を染めてきた。
それもすべて、今日と言う日を生きる為に。
そして、自分の足で生きていく為に。
幸也。俺にはさぁ? 家族もいないし、なんなら帰る家もない。
そんな自分にとって、あの場所は、唯一の居場所であり、家族だった。
だからこそ、許せなかった。
所長……いやぁ? 黒鳥恭輔が、幸也? お前のことを殺そうとしたことが。
幸也? お前は、いま幸せか?
俺は……まぁまぁ幸せだったよ。
幸也? お前みたいな奴と友達? いやぁ? 親友になれて。
幸也? 俺がもし、お前の前からいなく……まぁ? こんな手紙? いやぁ? 遺言書? みたいなものを書いている時点で、もういなくなること確定だろうけど?
笑えるだろう? 最初に書いていることと、最後に書いていることが、180度違うんだから。
幸也? もう一度謝っとく。多分俺は、お前の前から確実にいなくなる
だから、ゴメン。
唐揚げ定食大盛? それは……キャンセルで。
幸也! お前は、俺の分まで、自分の人生盛大に楽しめよ! 勿論! 教師になる夢もなにがあっても叶えろよ!
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