異世界に渡った子どもたちが、ポンコツロボとともに旅をしていく壮大な冒険物語。
この番外編では、その仲間の一人であるトキトが、じいちゃんと梅雨入り前の山へ“小さな冒険”に出かけます。
本編を知らなくても大丈夫。
これは、祖父と孫の一日を描いた、やさしくてあたたかい一話完結のお話です。
モリアオガエルの卵、シカの声、キツネの姿、サワガニ、ツチグリ、そしてホタル。
じいちゃんが見せてくれる自然のひとつひとつが、トキトの心に宝物みたいに積もっていきます。
じいちゃんと一緒だからこそ特別な冒険になる。
ダジャレを交えながら教えてくれるじいちゃんの言葉も、元気いっぱいに受け止めるトキトも、とても魅力的です。
本編の大きな冒険とはまた違う、トキトの根っこに触れられるような番外編。
自然のきらめきと、家族のぬくもりを感じたい方におすすめです。
ぜひ、一緒に小さな冒険をしましょう!おすすめいたします(●´ω`●)
早朝から家を出発し、山々へと足を踏み入れた主人公の少年・トキトとじいちゃん。
朝露が残る山林の小道、聞こえる鳥のさえずり。
鼻腔をくすぐる木の香りに、草木が静風にゆれる音が心地よい。
じいちゃんの軽妙な語り口に、冒険への期待がふくらむトキト。
トリのように高く鳴くシカ。
神の使いとしての存在感あるキツネ。
今までにない、自然との出会いの数々。
トキトの好奇心を満たしていくホタル――まるで小さな呼吸が伝わってくるようなやわらかな描写がとても印象的です。
日々の喧騒を離れ、自然のセラピーを通じて心を休めたい。
純粋な少年の好奇心に今の自分の心の在り方を重ねてしまう。
時間を忘れ、ゆったりとした心地――想像の中でしみじみと身を委ねたくなる短編です。