第85話
「やられたっ」
朗読した手紙を握りしめ、プレヌは絶叫する。
「またしても先手を打たれたわ。くーやーしいっ」
そう憤慨しつつも、キザなやつ、と肩を竦めるロジェに庭で見たような不調の影がないことに、なんだかほっとして。
そのついでのように、胸中でしたためる。
ここでは意見が違ったわね、エスポール。
わたしは生まれてきた宝石に、罪はないと思うの。
呪いの都市伝説にでてくるその子が、今どこにいるにしろ、今、幸せであることを願うわ。
プレヌは吹き抜けの天井の真下、ショーケースで輝く石たちに、そして絵画の中に閉じ込められた幼子に哀悼を表するように目を伏せた。
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