第29話 【400 Bad Request】
戒斗の代償を無くすことが出来ないか。ルナに連絡しました。
でもルナは答えてはくれませんでした。
例の組織にも……あまり頼りたくはないですが連絡しました。
戒斗のこと知っているだろうから。
でも帰ってきたのは、無言でした。
毎日が辛く、誘拐から帰ってきたあの時よりも重たい日々でした。
報われない。何故彼がそこまで背負わなければならないのか。助けて。誰か助けて……
そう思っていた時でした。
戒斗:「牡丹さん……落ち着いてください。僕は何も覚えてないけども、貴女が僕の味方であることはわかりました。だから今はこれから先を作りたいです。」
そう戒斗は覚束無い様子でしたが私を励ましてくれた。
あぁ。私はなんて弱いんだろう。
それからは戒斗の記憶を取り戻すよりも新しい記憶を作ることに専念することにしました。
また消えるとしても、余るように、家族で出掛けたり。自分たちのことを教えあって。
最初は泳いでいた戒斗の目も、落ち着きを取り戻しつつありました。
私が世界に……居るかも分からない神に求めた事は過ぎた願いだったのかもしれません。今となっては。
それから数日後、例の組織から再び連絡がありました。
内容は、全てを委ねるとの事でした。
私は思わずその手紙を破きそうになりました。散々あちらから手を出してきて、肝心な時に黙って。進むと分かれば見捨てる。
本当にあの組織とは二度と関わりたくない。
そう思いながら、今日も戒斗に抱きつく。
牡丹:「戒斗。今日は何して過ごす?」
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