第50話
初めてだった。
自分の中にある時計が、自発的に動くことを放棄する。
故障ではなかった。
誰かに止められたのでもなかった。
自ら時計の針が今、時を刻むことを止めた。
何故そんなことを問うのかと思ったけど。
それは問わなかった。
あまりにも、彼女の瞳が綺麗な朱に染まっていたから――…。
「…………岬さんはそういうの、信じる人?」
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