第57話

ピアスホールは右に三つ。


左には一ヶ所もない。

で、右に飾る物も一個が多い。

普段はあまりやらない。


因みに三つの内二つは記憶にない間に。多分、寝てる間だった。





・・・




初めて彼女を目にしたとき。



撮影スタジオの出入り口で擦れ違って、驚くほど強気な眸をしていると思った。



それと同時にどこかで、それには何か理由があるのだということも思った。



理由なく。




惹かれた。




他人の色恋沙汰に興味のある人間ほど興味のない人間はいないけど、初めて他人に対して、『知りたい』と興味が湧いた。


あー…。と、いうか。



理由なく知りたいと興味が湧いた、の方が正しかったかもしれない。



それを知ったのも、そこから少し経った後だったけど。

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