第27話 イブン=ハジの粉末
「怪しい奴め! このイブン=ハジの粉末でも食らえぃ!」
アミーこと
そんな状態で黙っていたものだから、
「ぐわぁ! ブヘッ! 粉っぽい! ちょっと、
比較的に温厚な性格のアミーではあったが、山中で倒れているところにこの
イブン=ハジの粉末とは、不可視の存在に対して、それが見える様にするための物ではなかったか、とアミーは考えた。どうして、彼がそんなことを知っているのかについては、この際であるから脇に置いておこう。
ちなみに、イクちゃんこと
例の粉はイクちゃんにもかかったのであるが、それは持っていると思われる効果を
「うーん……? 君は人間のようだな。失礼した。私は呑舞大学で考古学を教えている、
背中のボンベにタップリと詰まっているであろう粉を周囲に
「酷いじゃないですか、教授。私は
怒りが一気に収まってから、一旦は落ち込んで、それから気を取り直したアミーは、教授に対してそう切り出した。一応は営業の人間なのだ。その時の彼は「あのバリトンの声はズルい」と同時に思っていたのである。
「そうか。あなたも何やら複雑な事情がありそうだな。少なくとも、あのRPG村や
発言内容からすると、どうやらこの
取りあえずアミーの方は、自身が
そのついでに、教授がここで何をやっているのか聞いてみたのである。
「
アミーからしてみれば、ゴーグルにガスマスクをして、
それに彼は、
むしろ、教授があの巨大な『おセンチ様』や、この地域に特有の危険生物について、何も言わないことの方が不思議で仕方がなかった。
アミーにとって、この土地に古い時代から
全ては、イクちゃんとその関係者(人間ではない方の)と当時の陰陽師達の不毛な
「そういえば、君は
物欲しそうな顔で教授にそう聞かれたアミーは、本当にうんざりした気分になった。
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