７２エニグマ

　23エニグマという、都市伝説的な思想がある。23という数字が、様々な事象と関連があり何らかの特別な意味を持つという言い分だが、あらゆる情報の中から意味を見出すアポフェニアという知覚作用とも見なされうる。

　事実、23エニグマの例とされるものには、別の回数刺された著名人もいくらでもいるだろうにユリウス・カエサルは23回刺されて暗殺されただの、他の人数の団体もあるだろうにテンプル騎士団には23人の総長が存在しただの、他の区分の地域もあるだろうに東京は23区だの、名前の構成文字数もいくつもある中23文字のフランクリン・デラノ・ルーズベルトに注目したり、果ては、特定の日付で生まれたり死んだ有名人もいるのに23日が生没年な者にだけ着目したり、挙句には特定のスポーツ選手の背番号が23というだからどうしたという領域にさえ踏み込んでもいる。

　もっとも後半なぞは、わたしが着目する別な数字への不思議と大差ないかもしれない。

　ただ、これは単に区域だの生没年だのスポーツ選手の背番号だのと比べ、ある種の傾向を孕んで出現する率が高いと思うのだ。それはオカルトとの関連であり、問題の数字とは72である。