第5話 終わりへの春 中

中学の時と同じように

1年生

2年生を経て3年生となった


大きく変わったことはアルバイトを始めた事と、アキが免許を取ったこと


これで気兼ねなく何処までもいけるわー


嬉しさをちょっと隠しながらも


はしゃいでる内心を瞳に浮かべるアキ


気兼ねなくなって、どっか行きたいとこあるの?


何となく不意に聞いてみた


少しだけ、ほんの少しだけ、逡巡するような素振りをして


いや、別に明確にどこってのはあらへんけどと応えたアキ


だけど、それはなんとなく行き場所のスポットを考えたような、そんな感じのものではなかった気がした


なんとなくで深い理由や根拠は無いことだけど、それは強く思った


ねえアキ、アキは何処へいきたいの?


中学の時よりも表面上には、なんかおもろいことあらへんかなーって出さなくなったけど


変わらないよね


ずっとなんかを探してる気がする


そのなんかはあたしにも分からない


アキも話そうとしない


素振りもない


あたしが疑問に思ってること自体、気付いてないのかもしれない


そしてまたアキにとって、どうでも良くなりそうな進路を決める時期がやってきた





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