第49話
「好きじゃないの!?多鬼!?」
わたくしはてっきり多鬼はケツバットが好きだとばかり……
「なぁーんでそう思ってたんッスか……」
呆れた表情の多鬼に聞かれる。
……なんででしょう?
首を捻っていると
「大丈夫です。奥様」
「真鬼?」
わたくしと多鬼の会話を聞いていた真鬼がとても真剣な表情で言う。
大丈夫とは……?
表情があまり変わらない真鬼だけど、今は自信に満ち溢れた表情をしている。
なんて可愛いのかしら。
「多鬼は真性のドMです。口ではああ言ってますが内心喜んでいます」
一切の迷いなし。
キッパリと曇りなき眼で言ってのけた真鬼。
「「……」」
わたくしと多鬼は絶句。
からの
「真鬼っおまっ」
「どこの誰じゃあっ!?うちの可愛くも純真無垢な真鬼に変な言葉を教えたのはーっ!?」
「!?」
「ギャーッ!!奥様がブチ切れっ」
「多鬼」
「へい!?」
グギギギギッと多鬼に視線を向ける。
「……お前?」
「違いますよ!!俺もビックリしてんッスから!!てか、真鬼!!俺はドMじゃねぇ!!むしろドエ」
「黙れ」
「はいっ!!」
ブンッと釘バットを多鬼に突き付け黙らせる。
そしてキョトンとしている真鬼へ
「真鬼」
「奥様。真鬼に多鬼がドM教えてくださったのは……旦那様です」
「「……」」
ぬぁっ。
ぬぁあっ。
ぬぁんですってぇええええええっ!?
刹鬼様が!?
刹鬼様がそのようなことを!?
真鬼に!?
……萌える。
滅茶苦茶、萌えではありませんこと!?
可愛い刹鬼様と可愛い真鬼。
可愛いと可愛いが揃えばそれはもう萌えでしょう!?
「さすがは刹鬼様っ」
「奥様。ちょっとオレとお話しをしましょうか」
「……」
まずーーいっ。
多鬼が怒ってるわっ。
超、マジってやつだわっ。
こうなれば!!
「ごめんね」
素直に謝るのみ。
「軽っ。てか素直っ。えーー……」
戸惑う多鬼。
なんていつも通りに過ごしていたら
「オイ」
声をかけられました。
この声は
「鍾鬼様」
屋敷の中にいつの間にか、超弩級のブラコンが居ました。
滅茶苦茶、不機嫌顔で。
「兄上がお呼びだ」
声まで不機嫌。
って!!
刹鬼様がーー?
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