転生平凡令嬢?……多分っきと。

月宮 卯月

第1話 思い出す

 私はダリア・カーネリアン、カーネリアン侯爵家の長女。今年五歳になったよ。


 この前スキルを授かる儀式を受けて、食・生活スキル ポーション作成を授かりました。


 私が無事にスキルを授かり、両親も叔父も家の使用人達も喜んでくれていたのに……。 


 儀式を受けてから数日、私は両親や一緒に住んで居る父の弟である叔父と会えてない……。もしかして……儀式で授かったスキルが?立ち会ってくれてた神官が、私に聞こえるように溜息を吐いてたっけ……。


 いや!まだ、スキルのせいとは決まって無いし!

 皆、慌ただしく忙しそうだから…何か、トラブルがあっただけ……のはず。でも、その……寂しいな……。


 取り敢えずスキルの事は、一先ず置いておいて。


 あの時、不思議な空間で、神様が言ってた……、「貴女が生きて来て自分が稼いだ以外の金額を捧げて、異世界転生してもらいます。金額は自分自身が決めていいよ……?ただし、足りなかったらナニかを代わりに払うだけだから………気にしないで?と言う訳で、頑張ってチュートリアルをやって行きなさい」だったかな。


 それで、怖くなったから…。私、結構頑張ったよね?なのに…前世の名前とか人間関係が思い出せない。ーーー何を覚えてるかは……ま、まあ今度…で、良いや。怖くなって来たから。


 よし!!気を取り直して!やっぱり、先にスキルの事試しておこうかな〜。

 えッ?変な話の逸らし方?気にしないで……、スキルを授かったのが、さっき言ってた数日も前な・の・に!!前世の事を思い出したのが!今さっきで!動揺してる……だけだから!!何で……スキルを授かった時か!その日、じゃないの〜〜!?


 ま、まぁ……。思い出すタイミングについて、文句を言っても……仕方無いし?こうなったら、スキルであそ…じゃ無かった、色々試してみよ。


 それで、え〜っと?神様の話だと、スキルを使いたいって思えば、大体勝手に発動するって言ってたけど……。あの時本当に頭が真っ白になって、な〜んにも……考えられなくて。取り敢えず異世界に行くって事仕方理解出来なかったんだよな〜……。


 で、異世界と言えば、文化が違う、何時も食べてる物が無いかも……って思って、自分自身が稼いだ金額を〜とかのを払い終わって、残ったお金で取ったスキルが儀式で授かったやつ何だよね〜。


 それじゃあ……早速。


「うっわ!?ま、まぶっ、し……」


 出したい物を思い浮かべたら、行き成り光出して、目が開けていられなくなった。

 えッ?もしかして……毎回こんなに光られると、困るんだけど……。


 あっ!光が収まりだした!…?何か紙が一緒に……。

 ………………今の光は、神様が間違えて?イタズラで、演出に付けてみたモノらしい……。神様?ちょっと考えよ?


 もう一回!気を取り直して!出した物の試食!をしなくちゃ!!


 取り敢えず、直ぐに思い浮かんだ……お茶、勿論緑茶と茶饅頭!今時の人は、もっと違う物出す?良いじゃん別に!?さっぱりした緑茶が久しぶりに飲みたかったんだよ〜!後、あんこが食べたかったの!?悪い!?


 あ〜〜……、このホッとする味が良いー!ハァー…。

 このまま……、何も考えずに暮らしたいな……。



 コンコンコン


「お嬢様!?大丈夫ですか!?先程、凄い光が………」


 ………………………


 見られた。茶饅頭が大きな皿にいっぱい積み上げがってる…ブツを………。ど、どうしよ〜〜!?どうする!?

 ちょっと離れた場所に居たのか、息を切らせて慌てて入ってきた侍女のアンナを……。私付きだし……口止め料として茶饅頭をあげたら……。


「アンナ?取り敢えず……コレを食べて?」


 取り敢えず一つ茶饅頭をアンナに渡して、食べる様に促す。

 渡されたアンナは困惑気味に、オドオドしながら一口食べる。


 うん。ゴメンね、アンナ。いくら何でも、行き成り茶色の物体を出されたら、ビックリするよね……。


「?!」

「あ!それから、コレ飲み物だから……飲んでみて?」


 わ〜、私ってば、ダメな主だな〜。ビックリ、驚いてる所に……緑茶出すんだから〜。

 でも、これでアンナも共犯だ〜。


「ま、待って下さい!?お嬢様!ちょっと声に出てます!?そもそも、何で、何が共犯何ですか!?」

「あーー、うん。その茶色のやつと緑の飲み物ね?私がスキルを使って、出してみたんだけど、どうだった?」

「え?茶色の方は、何だかホッとする甘さで、緑色の飲み物はスッキリしていて、ちょっと渋い味ですかね?……お嬢様のスキル!?」


 驚いてるけど、アンナ……?食べるの止めないんだね……。茶饅頭そんなに気に入ったの?


「それ以外に何だと思ってたの?私の部屋にあるわけ無いよね?」

「ああ……モグモグ…。確かに、そうですね~モグモグ…」

「アンナ?食べるスピードが………。そう言えば、スキルでソレ出したら、何だか身体から温かいモノが出た感じと、身体が重くなって凄く怠いんだけど」

「………ゴクッん………。フぅ~、ソレは魔力ですね~。おめでとう御座います、お嬢様。魔力はスキルや魔法をいっぱい使うと増えますよ〜。なので、この茶色のをもっと、いっぱい出して下さい!」


 あ、れ?アンナが目をキラキラさせて、お代わりを…ってどれだけ食べるの!?あのお皿には三十個はあったはずだよ!?食べ過ぎでしょ!


 家って侍女とか使用人の人達に、ちゃんとご飯を食べさせて無い………?


 思わずアンナの事を私が、ジトーーっと見てたら。


「んん……。失礼しました。お嬢様の出して下さったモノが美味しく、我を忘れてしまいました。なので、決して!私が食いしん坊でも、賄いが少ない訳でも無いので!ご心配なく!」

「そ、そう。そういう事にしておくね。フぅー、それにしても……、初めてなのに…調子に乗って出し過ぎた……かな……。怠くて動けない……」


 コレ、本当にダルい……。調子に乗り過ぎた。


「ああ!そうですよね!すみません、お嬢様。

 お嬢様は初めてスキルを使った事を忘れていました」

「ん〜、まぁ……。誰にも言わずに、使った私も悪いんだけど。

 あ、あのね。お母様やお父様、それに叔父様は……何処に居るの?」


 言えた〜〜!前世を思い出す前寂しいって、すっごく思ってて、アンナに聞こうかな……でも…、ってウジウジして聞けてなかったけど、やっと聞けた!


 アンナが少し、困った顔をして話してくれる。


「……えっと、奥様は領地で豪雨による被害とダンジョンで魔物のスタンピードの予兆の対処で、領地に行ってお帰りになったのが、今日の朝方です」


 私はコクリと頷き、話しを促す。


「それで……、旦那様は王城で文官でしたが、十八騎士団にリゲル様と一緒に配属されたそうで……。その……平民の騎士が多い所で、色々やる事があるとかでこの頃お帰りになってません……」


 リゲルは私の叔父様で凄くカッコいいんだよー!イケメンなの!?まあ~、お父様もお母様も美人なんだ!?

 アンナが段々私を見ない様に、顔を背けて話すって事は……、その配属って、私のスキルのせい?


「お父様達の異動って…私のスキルのせい?」


 そうだったら、私………。


「………いえ。何方かと言うと、その……。お嬢様のスキルを言い訳にした、嫌がらせと言いますか……」

「えッ?」


 アンナ曰く、お父様も叔父様も飛び級で学園を卒業してのやっかみが、前から酷かったとか………。

 しかも、お父様は元々お母様と婚約者じゃ無かったと……。じゃぁ、何でって?お父様の二番目のお兄さんが『先代の王命』だっけど、先代の末の娘で今の王様の歳が離れた妹が!真実の愛とか言って、これまたよくある婚約破棄を勝手にしたんだって…。

 王様も妹の事を溺愛してて、しかも他の大臣とかも……。

 で、代わりにお父様が飛び級してるし、結婚させれば良いでしょ!ってノリだったらしい……。二番目のお兄さんとその妹王女、それに王様と大臣達だけ……が!


 王家の婚約破棄……これが三回目で、王様もやっちゃってるらしい……しかも、お母様の母方の実家公爵家を相手に。後のもう一つは、先代の王様の時に王様の弟が学園の卒業式でやっちゃたんだって。


 何だかんだで、今の王家を支持する高位貴族があんまり居ないから、先代の王様の妹が降下した家であるお父様のベラトリクス伯爵家に決まったそう。ただ、二番目のお兄さんとお母様は五つ歳が離れてたんだって……さ。で、ね?そのお兄さんと妹王女は同い年で、色々嫉妬があったみたいで。やらかしたとさ……。


 此処まで聞いて私、頭の中がグルグルし始めて、考えるのを放棄したくなったよね!!


 で、続きが。

 王命の婚約を破棄したのに、何を血迷ったのか……お母様とお父様の結婚を王命で強行しちゃっんだって〜……。意味分かんない……。


 それから、まあ。当然だけど………、王家への信頼はゼロ。しかも、大臣達の信頼もゼロ。

 信頼がゼロになったのは、お母様やお父様のせいにされてるとか……。え?もう、その人達終わってるね?


 だから……、私のスキルの事はこじつけ、だって。


 平民だらけの騎士団で、弱いし柄が悪いって言われてる所って聞いて、余計に心配い何だけど!?


「何て言うか……、この国大丈夫?」

「ヤバいですよ。今現在。まぁ……、そこら辺の詳しい事は……、奥様か旦那様に聞いて下さい」


 アンナが最後に、サラッと爆弾落とさなかった?



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 初めましての方も、他の話を読んで下さってる方も、お読み下さってありがとうございます。


 他の話しが、まったく全然!進まないのに、また新しい話を初めてしまいました。


 面白そうや気になるって、思って頂けたら嬉しいです。

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