第5話

同じクラスで同じ委員会の日高貴志は本当に嫌な奴だ。



ゆきくんの後輩で軽音楽部に入ってて、大して上手くもないくせに来月ライブをする。



しかもなぜかギャラスタと対バン!



だから私はそのライブに行かなきゃで、そしたらあの日高バカ何を勘違いしてんだか「俺、頑張るから!!」とか何とか一人で勝手に盛り上がってる。



……超ウザい。


つーか、あいつが軽音なことだって私、知らなかったし。



ってゆうか私的に一番有り得ないのは!



あいつがいるせいでゆきくんとの練習タイムが完全に失われたこと!



月一でしか活動しない英語部に所属する私は何もない日はゆきくんの練習を見学していた。


ギャラスタの皆とも中学生の頃から仲良しだし特にキーボードのスズちゃんとは特別な絆で繋がってる。


…って、私は思ってる。



な、の、にー!



この日高のバンドのせいで私はそのスズちゃんにも全く会うことができない!



まぁ、今前に立ってる笹内もそのバンドだけど、あいつは結構良い奴だしウザくない。



バカな男子の中でもバカじゃない方。



だけど日高とかっ!有り得ないしっ!


しかし日高は満更でもなさそうに「えぇー、おれー??」とか言ってる。



……バカじゃないの?ことわれよ。



なのにバカ男子が異常に日高を推すから、バカ日高はイケメン決定戦に参加することになった。



……ありえない。



だって去年の一年の優勝者、梶先輩だよ?


梶先輩って私から見ても、かなりイケメンだし!



まぁ二年の優勝者は私の兄の秀ってゆう訳の分からない結果だけど……。


あ、秀のウザさについてはまた後でゆっくり。



三年の優勝者はスズちゃんの彼氏でギャラスタのボーカルの流星先輩だよ?!


一人で道を歩いたら逆ナン率ナンバーワンの流星先輩だよっ?!




そうゆうの踏まえた上で立場わきまえろ!

……って、日高に言っても私の方こそそうだよね。



あぁー……。ゆきくーん……。



こんな大会、出たくないよー……。

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