第51話

「うん」



「よく無事だったな」



「無事って?」




私に詩乃が真壁郷の話を聞かせてくれた。




「真壁郷。この街で一番危険なヤツ。キレたら警官まで殴っちまうような…まあ札付きのワルだよ。鑑別所を出たり入ったりしてるような」




「そんなに…?でもそこまで悪いヤツには感じなかったけどなぁ…」




よく何もされなかったな私……




「おいおい、神尾先生に手を上げるような奴だぜ」




でも手を上げたわけじゃない。



これが殴ったとかいうなら救いようがない



けど……



真壁郷は私にも叩かれたのに仕返ししなかった。




「未成年だから名前は出ないけどけっこう新聞にも載ってるって」




瑞希が横から付け足す。




そして――



「超カッコ良くなかった?」



「えっ…」




瑞希に聞かれたときにまたも真壁郷の顔を思い出した。




薄紫色の瞳……

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