第15話

胸の奥から不吉な予感がもたげてくる。




私はその数字から目をそらした。




さらに目を凝らして室内を見回してみる。




壁に絵が飾ってあった。



赤ん坊のキリストを抱く聖母マリアの絵。




機械だらけの部屋の中でとても不釣合に見えた。





部屋の突き当たりから薄っすらと明かりがもれているのに気がついた。




暗がりの中、明かりに向かって歩いて行くと分厚い扉がある。




扉は少し開いていてそこから明かりがもれていたのだ。




私は、この誰もいない不気味な機械の部屋から早く遠のきたくて躊躇うことなく扉を開けた。

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