第2話 人間...?
しばらく歩いていると、大きな村が見えてきて、もう少しで村に入るというとこで
「これを被れ」
帽子を被せてきてそういった。
「理由はいずれ分かる、とにかくそれを被って歩くんだ」
そう言われながら村に入った。
助けてもらったはいいものの私はこれからどこに連れてかれるのだろうか?でもとりあえずはその
そんなことを思っていたら散歩中であろうおばさんが喋りかけてきた
「あれ?アランさんじゃないの!こんにちは、めずらしいわねこんな時間に、今日はお仕事は休みなのかしら?」
この男の人、アランて言うんだ...
「こんにちは、いえ、さっきこの子が外で迷子になっていたので村まで届けに来たところです。」
「そうなの?大変ねぇ。あら、可愛い子じゃない、こんにちは。」
「あ、こ、こんにちは!」
一瞬ビクッとしながらも、言葉を返す
「アランさんにまかせておけばきっとお母さんもお父さんの所に帰れるわよ。」
「はい、ありがとうございます」
この世界に来て二人目に会った人だけど、優しい人だったな〜。
「では、そろそろ失礼します」
別れの挨拶をして3分ほど歩いてると大きな家についた。
「ここ、ですか?」
「あぁ、大丈夫だなにも君を取って食ったりなんかしないよ」
それを言われると逆に不安になるけど、今は何がなんだかわからない状況なんだから行くしかない、
不安と期待を走らせながら、家の中へ足を運んだ。
そして男が部屋をノックし
「アランだ、大事な話があるから部屋に入ってもいいか?」
「あ〜、いいよ」
随分親しそうな会話だななんて思いながら部屋に入ると、白髪の男が椅子に腰掛けていた
「あれ、どうしたのその子、まさか迷子の子を引き取ってなんて言うんじゃないよな〜....そんなこt」
冗談交じりの言葉を遮るようにアランさんが私の帽子を取りながら言った
「今回はマジで大事な話だ、この子、地上の人間かもしれない」
すると、途端に男の顔が変わった。
「地上の...人間?」
その男の顔は疑問をいだいてるのと同時に不安とも言える顔だった。この部屋の空気が一気に空気が重くなった気がした。
「まず、君本人から聞きたい、君は地上から来たのか?」
「はい、たぶんそうです...」
「たぶん?なぜそこをはっきりさせないんだ?」
「私にも何がなんだかわからないんです!何か機械のようなものに入れられてここまで来て...」
男は深呼吸しながら椅子に深く腰掛けると、
「そうか...そうか、わかった。じゃあ話をしよう。」
そして何かを考え込む様子で言った
「さあ、ここにでも座って」
近くにあった椅子に座ると、10秒ほどの沈黙が続く
「アハハッ、何から話そうか。あっ、自己紹介がまだだったね、僕はクレス、君は?」
(被検体O...ここに来る前父に呼ばれた名前が脳裏にちらつく)
「被検体O...」
「被検体?それが君の名前なのか?」
「違います、ここに来る前父からそう呼ばれたんです。」
ここにいる全員が眉間にシワを寄せる
「引っかかるね、その言い方。何か実験でもしてるような、でも実の娘にそんなこと...」
「いえ、父ならやりそうなことです。」
あの人はきっと、私のことを道具だと思ってたに違いない。なんて思ってしまう
「私はシエルって言います。」
「シエル、よろしくね。さっき言ってた被検体という言葉、やっぱりどうも気になる。地上の人間である君がこの地下の世界に来た理由となにか関係があるんじゃないのかな」
関係...私がここに来た理由?そんなのわからない
「何か、普段から君が実験とかそういった事に関わってたり、心当たりはない?」
「ないです、父はずっと自室にこもって仕事をしてるような人で、私が物心ついた時から話したことすらそんなに多くないくらいだったので」
「そっか...。・・・あと君のその髪、染めてるわけじゃないんだろ?白と黒のツートンカラーで左右に別れてる」
薄々なにかここにいるもの達は気づいてきてるのかもしれない
「私には、”オブリー二”の血が混ざってます。」
私はオブリー二という白い髪をした種族との混血、そしてこの地下の世界にいる人達の髪色は...白だ、つまりは
「やっぱりそうだったんだね...ちなみに、もう察しはついていると思うけど、ここにいる人間は皆オブリー二だ」
被検体O 漆原麗音 @reon_lp
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