夢の話
宇宙に行きたい宇宙人
夢の話
俺は、夢を見ていた。
それはとても、長くて楽しくて辛い夢。
ずっと続けばよかった。
アラームがピリリリ ピリリリと鳴る。
起きたくはないが起きなければいけない
今日は、月曜日だからだ。
俺は、月曜日が嫌いだ。
だって、嬉しかった日曜日が終わり楽しくない学校生活が始まってしまうからだ。
誰しもがそう思っていると思う。
「あきらー」
母が階段の下から呼んでいる。
「おきてるよ」
母は、いつも大きな声で起こしてくれる。
母の優しさにはとても感謝しているが毎朝大きな声で呼ばれると頭が痛くなる。
部屋を出てリビングに行く
キッチンには、お弁当の準備をしている母がいて
ダイニングテーブルの椅子に座ってご飯を食べている父がいた。
「おはようあきら」
テレビを見ながらコーヒーを飲んでいる父が疲れた声で話した。
仕事が忙しんだろうな
俺はそう思った。
「おはよう父さん」
その言葉だけで会話は、終わる。
これが毎朝のルーティーン
父とは、高校に入って話す機会が減った。
父は仕事が忙しく帰ってくる時間が遅かったり、
出張に、1年行ってしまうことがあったので話す機会がだんだん減った。
でも、悲しいと思わなかった。
これが、ふつうになっていたからだ。
ご飯を食べ終わったら、洗面台に行き歯磨き•顔を洗い部屋に行く。
部屋に着いたらパジャマから制服に着替え学校の準備をして母の作った弁当を持って玄関へ、向かう。
「行ってきます」
挨拶をして扉に手をかけた瞬間
「待って」
母が急いで玄関に来た
「どうしたの?」
「これ、渡すの忘れていたわ」
母が出してきたものは、お守りだった。
「なにこれ?」
「昨日買ってきたのよ、交通安全のお守り」
「ありがとう」
いらないなと思っていたが貰っておかないと機嫌を損ねてしまいそうだったのでしかななく貰った。
「いってらっしゃい気をつけてね」
「うん」
返事をしたあと玄関から外に出た。
学校は、歩くと1時間かかる。
だから、歩いて10分の駅で電車に乗り20分電車で揺られながら学校の近くの駅で降りてまた10分歩く。
こんな生活を毎日続けていた。
この時間は、俺にとっては好きだった。
誰とも話さず1人で静かに過ごせる唯一の時間だったからだ。
俺は、家を出てから駅に向かって歩いていた。
5分ほどして信号が見えてきた。
その先には駅が見える。
信号を待っていると小学生くらいの女の子が飛び出して来た。
信号が赤だと気づいていない。
その女の子の後ろにいた、女の子の友達が
「止まって葵!」
女の子は、びっくりした声で後ろを向いた。
「え?」
道路の方からはトラックが向かって来ている。
俺は、なぜか女の子の方に向かっていた。
「危ない!」
トラックは、俺が助けようとしていることに気づいたのか急ブレーキをかけた。
しかし、トラックは止まらずぶつかった。
キキーン ガーン
人は車に轢かれるとこんなに飛ぶのかと思った。
どのくらい飛んだのだろう
朦朧とする意識の中、腕の中にいる女の子を見る。
息はしている。
意識もありそうだ。
「よかった」
かすれた声で言う。
周りの人は、動画を撮ったり騒がしくしている。
トラックの運転手は、慌てていながらも救急車を呼んでいる。
意識が薄れていく。
トラックで飛ばされた場所は、少し離れた電柱だった。
そこに、咲いている花を見つけて意識を失った。
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