ちっぽけな者達へ、世界最後の祝福を

  • ★★★ Excellent!!!

この人の作品は癖が強い。
まず物語の中心かつ最後まで引っ張っていく主人公が居つつも途中で視点が何人にも切り替わる群像劇スタイル。
『一般通過自己犠牲全体回復魔法持ち魔法少女』はそれでも見応えあるキャラ達が動いていたけれど、こっちは異なる。とにかく戦闘しない。というかサポート系とか一般人とかほぼ戦闘キャラじゃない。ぶっちゃけショボい。
そして主人公。無駄を削いで削いで削ぎまくった末の純粋な自己犠牲の塊。自分が犠牲を背負うのに一切の疑念を抱かない。馬鹿ではない、究極の合理主義者。この作品で言うならば、そんな後悔なんて一切感じていない世界最後のヒーローに、余計で、残酷で優しいワガママが後悔させるまでが本番。