制約魔法

第4話

ノルディクス伯爵家にて。


「で、殿下?!」

「セレイアに会いに来た」

「今しばらくお待ちください」


セレイアはおずおずと出てきた。


まったく笑っていない、むしろ死んだ眼でアレクサンドリアを見る。


(どうして? とても嬉しいのに!)


「セレイア……?」

「なんでしょう?」

とても冷たい声になった。


アレクサンドリアはセレイアに抱きつこうとした。

セレイアが両手で制止する。そして、ビンタしてしまった。


(ちがう! ちがうの――!)


ぽろぽろ涙をこぼしながらセレイアは混乱して逃げてしまった。

その場にいる全員が驚いている。


「殿下、セレイアは番ですよね?」

「そのはずだが?」

左頬を押さえながら答える。

「とりあえず頬を冷やしましょう」

ノルディクス家の全員がびくびくしている。




「どうして?」

(本当は笑顔で大好きって言って甘えたかったのに~!)

セレイアは気が付いた。


「これが……」

(魔法? 好意を示せない制約魔法なのね)


セレイアは頭を抱えて左右に振る。


「どうしよう」

(これじゃ殿下に嫌われちゃう!)


例えば醜く見える魔法とかあるだろうに、チョイスが絶妙で地味に嫌な魔法をかけられたと思うセレイア。


「最悪だわ」

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