父が亡き友人の妻子を連れて来てから使用人以下の扱いを受け、勝手に決めた婚約者が訪問され身請け間際、それまで虐待による身体の痕をその婚約者に見られる事を懸念した継母が、病で急死したと取り繕う為、ヒロインを邸横に流れる川に落とし、ヒロインを亡き者と目論みたが、ヒロインは川面から顔を出し、何とか溺れずに流れに身を任せるも、それまでの虐待の一環で、まともな食事にありつけず、食事抜きの時もあり、極度の栄養不良で体力が無く、意識を無くすに、川下で釣りを興じていた男性に川から引き上げられ、その後その男性の介助のお陰で命が救われ、且つ、栄養不良も改善され元気を取り戻していった。然も助けた男性は、王城を離れ趣味の釣りを嗜む為に侍女と暮らす王太子で、彼が王城帰還の折に共に同行し、彼女に懸想する王太子は家族に紹介したり、彼女が継母への復讐に加担したり、彼女が実家と離縁を望んでいるから、養女として引き受け先を斡旋したり、遂には彼女に婚約を願い出、彼女も受諾するという、シンデレラストーリーの展開に感動しました。ヒロインも只か弱い儚げな令嬢とは異なり、芯の強い頑張り屋であった所も良かったです。