第8話

信じられなかった。でもどう見たって地球にいる生物ではない。宇宙の生き物だ。


「あのさ、それどうやって人に戻るの」

「ご飯食べて栄養分が吸収されたら治るよ」


ご飯食べるんだ。どこから食べるんだろう。それにご飯って何。見た感じ目は前面についているし、一応肉食なのだろうか。でも宇宙で食べれる肉ってなんだ。星から生き物を攫って食べるのか?それとも共食い…?そう思うと目の前の生物が恐ろしく思えてきた。関わらないほうがいい。逃げたほうがいい。頭が必死で警報を鳴らしていた。


「あの、僕これで帰るから。」

そう帰ろうとしたとき、腕にひんやりとした感覚がした。

「え、あ、離して。帰りたいから。」

「ダメだよ。宮瀬は見ちゃったんだから。責任とって。」

「責任って?取らなかったらどうするんだ…?」

「俺の計画手伝ってよ。できないなら、今ここで食べるから。」

「食べるってどういう…」

すると目の前には大きな影が落ちた。コイツ僕を覆い込んで食べる気だ。こんなこと初めてだ。恐怖で震えが止まらない。

「で、どうするの?」

「…て、手伝うよ。」

「そう。じゃあ、明日ここで詳しく話すから絶対来てね。」

そう言って彩瀬は小道の奥へと消えていった。僕は恐怖から解放されたからか体の力が抜けて半時間は尻餅をついたままだった。

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