第48話
そして、今に至る。
「沙桐、あーんして」
目の前には、左手でお粥の器を持ち、右手で適温に冷ましたお粥ののっているスプーンをもつ神代くん。
「………自分で食べれるよ」
そう言っても、神代くんは早くしてってめんどくさそうにあたしの口にスプーンをくっつける。
恥ずかしいけど、作ってくれたし、温かいうちに食べたいから、甘えて食べさせてもらってる。
「美味しい…」
「俺が作ったんだから当たり前」
その後も適温に冷ましてはあたしの口にお粥を入れてくれる。
あっという間にお粥はなくなった。
「おかわりあるけど」
「お腹いっぱい」
そう言うと私をソファに下ろしてキッチンに向かう神代くん。
食器のぶつかる音や水音が小さく聞こえて洗い物までしてもらっていることに申し訳無さを感じながらも、お腹いっぱいになったことでうとうとと眠くなりだした。
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