第46話
なんだか、そんなことを考えてるとどんどん舞い上がってた思いはどこかに消え去って、悲しさだけがこみ上げて来る。
なんか、ちょっとだけ泣けてきた。
神代くんに抱きしめてほしい。
神代くんの声で沙桐って読んでほしい。
神代くんにキスしてほしい。
どんどん神代くんへの思いが募って、いつか爆弾みたいに弾けちゃうんじゃないかって心配になる。
付き合ってすらないのに、神代くんがあたし以外に優しくするのが嫌。
図々しくて、心が醜い。
そんな自分が嫌で仕方ない。
でも、醜いと分かってても思いは止められない。
気づいたらベッドから降りて、神代くんのいるキッチンのドアの前まで来ていた。
静かに開けると、神代くんの背中が見えた。
神代くんはあたしに気づいてない。
背が高くて、広い肩幅と大きな背中、筋肉が程よくついた腕………
全部今だけはあたしのものなんだもん。
今だけは、神代くんはあたしのだから、いいの。
その大きな背中に抱きついても誰も何も言わないで。
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