第35話
「さと、くん…」
「ん?」
「ありが、と…………」
今にでも眠ってしまいそうだから先にお礼を言う。
「いいんだよ、困ったときはお互い様」
そう言って笑う佐藤が眩しく見えた。
こんな人好きになれてたらな………
また神代くんのことばっかり考えて、誰にも気づかれないように流した涙は火傷しそうなくらい熱かった。
「じゃ、俺帰るから。白北お大事に」
半分眠ってるあたしは頷こうとするけど意識はもう消えかかってる。
すると澄子が代わりに伝えとく、と返してくれた。
「寝てな。タクシー呼んだからあたしと帰ろ。混んでるらしくて30分くらいかかるらしいけど、その間に早退の手続きしてくる」
そう言って、あたしの手を握って保健室から出て行った。
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