第31話

10分くらい立つと神代くんは器を2つ持ってリビングに戻ってきた。



「何もないからこんなものしか作れないけど」



と、温かいうどんを作ってくれた。




料理作れるんだ…と、神代くんの知らなかった一面を見れて少しうれしくて、いつの間にか微笑んでしまった。



「ありがとう…いただきます」




「はいはい、めしあがれ」




二人でご飯をたべたのは、初めてで今までで一番温かい気持ちになった。






食べ終わり、片付けはあたしがやると押し切り洗い物をしているとテレビを見ていた神代くんがあたしの後ろに来てお腹に手を回してきた。




「か、神代くん…?」




「早く終わらせろよ、風呂入るんだから」




「え…っ、まさか、一緒に…っ?」





振り返ってそう聞くと、当たり前だろと言う顔をした神代くん。




「さっきの続き風呂でゆっくりしてやるから」







そう耳元で囁き、スルッとあたしの太ももを一撫でした。



ピクッと体が震えるあたしを見て楽しそうに笑ってソファに戻っていく神代くん。





お皿を洗う手が止まって、1秒が1分にも思えるくらいゆっくりと時間が流れる。



再びお皿を洗って流すまでにどれだけ時間がかかったのかは分からないけど、いつの間にか神代くんの腕の中にいた。




浴室のドアが閉まる瞬間また一つ、自分の愚かさを知った。




口では嫌だと吐くくせに、心手間は喜んでる自分に心底嫌気が差した。

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